「同時に2つ3つのことができるのって、
聖徳太子とかの話でしょ? 凡人には向かないんだよ」
(むちゃくちゃ売れる営業マン)
■ うまくいかない、つまらない……は、才能やスキルの問題ではない
うまくいかないこと。
つまらないこと。
そりゃあ、たくさんあると思います。
避けられるものは、避けちゃっていいと思いますが、
「避けられない or 結果を出さなきゃいけないもの」について。
実は、「本腰が入っているかどうか」が、
つまらないかどうかをわけ、
結果をわける最大の要因なことが多い。
たとえば……
うまくいかない内容でも、毎回というわけではない。
うまくいっていたことも(過去)あったりする。
つまらない内容も、毎回というわけではない。
面白かったことも(過去)あったりする。
何が違ったか。
それが、
「本腰が入っていたかどうか」なんです。
鬼ごっこでもトランプでもスポーツでも仕事でも、
「本腰」であれば、面白いし、結果もはるかに出やすい。
でも「腰が引けてたり」、「腰かけ」だと、
全然面白くならないし、結果なんてもちろん出にくい。
これは、スキルとか能力の問題じゃないんですね。
■ 2:6:2の法則(パレートの法則)
この法則をご存じでしょうか?
集団はこの比率に分かれる、というものです。
▼トップの2割は、主体的に動いて結果を出すエリートグループ。
▼中間の6割は、指示を待って動く、普通グループ。
▼ボトムの2割は、指示をされようが動かないグループ。
わかりやすいのは、アリンコですね。
働きアリ2割と、普通アリ6割だけでなく、
実は「サボるアリ」が2割いるんです。
で、トップの2割がものすごい活躍して、
全体の80%もの結果を出すという。
営業マンとかでもそうなんです。
トップの2割が、全体の80%の売上を出しちゃう。
そうつまり、人間でも同じことになる。
ここで、
「え?じゃあ、トップ2割だけ残せばいいじゃん」
なんて考える人がいるんです。
そして、
「ほほー、じゃあ、ボトム2割だけ残したら、最悪だね(笑)」
なんてことも想像してみたり。
……で、実際、どうなるか?
これが興味深いことに、
「どっちにしても、やはり2:6:2に分かれる」んです。
エリートの中でも、
超エリート、普通エリート、エリート落ちこぼれに。
ボトムの中でも、
働くようになる2割、普通の2割、やっぱりダメな2割に分かれる。
これ、面白いですよね~……
この法則からわかる大切なことは、何でしょうか?
僕が一番感じるのは、
「もともと優秀だった人も、上がりも下がりもする」し、
「もともとダメだった人も、上がりも下がりもする」ということ。
才能やスキルの差ではないんです。
だって、元々同じぐらいだった人が、自然とまた
分かれちゃうわけだから。
「そしたら、何が決め手になるの?」
……その答えは、ジブリの中にあります。
■ ジブリが繰り返し訴えている「結果を出す最大条件」とは?
ここで思い出してください。
ジブリを。
ジブリの名作たちを。
僕が特に好きなのは、
▼「天空の城 ラピュタ」
▼「もののけ姫」
▼「千と千尋の神隠し」
なわけですが……
この中でも特に、
ラピュタの主人公のパズーや、
千と千尋の主人公の千尋は、
「もともと特別な能力をもったキャラクターじゃない」んです。
ところが、物語の中で大きな成長をとげ、
最終的には「他の誰にもなし得なかった結果」を出す。
しかも決まって、「周りが助けたくなる存在」にもなる。
なぜでしょうか?
その理由をジブリは、どう描いているでしょうか?
答えは1つじゃないでしょう。
でも、僕に一番強く伝わってくるのが、
「意志の力」なんです。
「覚悟」と言ってもいい。
「シータを何が何でも守る」
「ハクを何が何でも守る」
という強い意志、覚悟。
これがものすごい強いエンジンとして、
「成長」と「応援」を呼び込む。
これが決定的だと思えるんです。
そしてそれが、
2:6:2に分かれる集団の中で、
「トップ2割」に行くための、最大条件なんです。
そこにある「本当はわずかなのに圧倒的な差」、
「違いをつくる違い」は、
「意志の力の差」……
「本腰が入ってるかどうか」の差なんです。
■ 「制限」をかけることで、意志の力を集約する
では、どうしたら本腰が入るのか?
有効なのは、意外なことに「制限」なんです。
「自分にはその道しかなかっただけです」という理由で
圧倒的なプロになる人がたくさんいます。
(スポーツ選手、登山家、小説家、芸術家、整体師もろもろ)
幸か不幸かは断言できませんが、
彼ら・彼女らには、避けがたい「制限」があったんです。
……こう書くと、何かを犠牲にしているような
感じがつきまといますが、心配いりません。
「選んでもいない制限」は犠牲をともないますが、
「自分で選んだ制限」は嫌な犠牲などなく、
明るいものです。
それは『集約』と呼ぶべきもので、
集中よりもずっと強いんです。
わかりやすく言えば、
「自分のパワーを絞り込む」というイメージ。
たとえば、
具体的な「使える制限」のサンプルとしては――
(何かに「本腰を入れたい」ときに……)
【短期的なもの】
▼ 実行時間/期限を決める
(20分以内に終わらせると決めてタイマーするとか)
▼ 他のものをすべて遠ざける
(テレビを切る、スマホは遠ざける、など)
▼ 作業する場所をめっちゃ片付ける
もしくは余計なものがない場所にいく(カフェなど)
【長期でずっと効くもの】
▼ 時間割を決めてしまう
(毎週火曜は企画の日、木曜は原稿を書く日など)
▼ 目標を絞る(本音で心から積極的になれる3~5つぐらいに)
▼ いらないもの、使ってないものを捨てる
こんな感じです。
どれも「本腰」を助けてくれるアクションです。
意志の力が「強い」とか「弱い」とか言いますが、
本当は「意志の力の総量」はきっと、
そんなに変わらないんです。個人差は大したことない。
ただ、
「大事なことにググっと絞って使えている人」と、
「色んなものに散らかってしまっている人」とがいるだけなんです。
「集約できているか」です。
そのために、絞っていくんです。
的を絞るから、力を「集める」ことができるんです。
そのとき、脳はとんでもない力を発揮します。
偉業を成し遂げた人のほとんどは、
「絞り込んだ人」です。
集まった力で「一点突破」した人なんです。
「一点に絞ったから突破できた」んです。
錐(キリ)のように。
だから、
本腰を入れて戦い続ける姿勢のことを
「貫く(つらぬく)」と呼ぶんでしょうね。
集約しましょう。
貫きましょう。
そのほうが、楽しいから。
そのほうが、うまくいくから。
ではでは、くれぐれも、お大事に!
昔のファミコンで面白いのが多かったのも、
「制限」のおかげだったのかなぁ。