「理想の自分? うーん・・・そりゃあ、あってもいいけど、
今のあんたが大好きな私は、どうなるんだろうね」
(ばあちゃん)
■ 「変えるべきもの」と、そうじゃないもの
何かを「変えたい」と思うとき。
結果を変えるために、他人じゃなくて
「自分が変わらなきゃ」と考えるのは、尊いことです。
ただ、「自分の何を変えるのか?」というポイントが大切で、
ここがズレると、苦しい上に結果が出ない。
そして、一番多いズレは、
「自分の性格を変えよう」とすることなんです。
▼「ドジを治したい」
▼「面倒くさがりを何とかしたい」
▼「ネガティブじゃダメだ!」
▼「もっと明るい性格にならなきゃ」
▼「軸がブレないようにならないと」
▼「もっと自信をもって堂々としなきゃ」
・・・などなど。
誤解を恐れずに言えば、
こういう努力って(僕も相当してきましたけど(笑))、
あんまり報われないですよね。
■ 性格が変わったように見える人の真実
「いやいや、性格が変わった人、いますよ!」
と感じることもあるかもしれませんね。
実際、
ドジが治った人とか、面倒くさがりじゃなくなった人とか、
ネガティブじゃなくなった人とか、明るくなった人とか、
軸がブレなくなった人とか、自信が出て堂々とする人
・・・は、います。
でもそれは、「結果的にそうなった」人で、
実は、性格が変わったわけではないんです。
ほとんどの場合。
「行動習慣」が変わったことによって、
「性格」が変わったように「見える」だけなんです。
何を隠そう、僕もそうです。
自信もないまま、ドジなまま、面倒くさがりで
ネガティブで軸もブレやすいままです。
・・・性格は。
そこは変わってない。
でも、「外から見たとき、そうは見えない」。
それは、性格じゃなくて、
「行動」が変わったからなんです。
▼ 「ポジティブになれない私」の『二重の』苦しみ
実は、3つあるんです。
1)変えようと努力すべきもの
2)変えようと努力すべきでなく、自然と変わっていくもの
3)変わらないし、変わらなくてOKなもの
これがけっこう大切な分類で、
2とか3、つまり、「変えようとしないほうがいいもの」を
変えようと無理にもがくことが、多くの苦しみを生んでいる。
そしてこれは、神経系が疲れてしまう患者さんに
共通するパターンでもあるんです。
その代表例が、
「ポジティブになりたい」というもの。
これはもう素質学でも、生まれつき、分かれるんです。
ポジティブタイプと、ネガティブタイプ。
変われるものじゃない。
なのに、何とか変わろうとする。
そうすると、
「変われない自分への否定」を
何度も何度も何度も何度も、くり返すことになるんです。
否定をくり返された人がどうなるか?
――自信を失って、「よりネガティブになる」。
こんなの、悪循環ですよね。
最初からそんなの、目指さないほうがいい。
そもそも、目指す必要さえ、ない。
役割と、得意なことが違うだけです。
ネガティブにはネガティブの良さ、武器があるんです。
※ これには、↓の記事でくわしく書きました。
http://www.rakuyuru.jp/entry/20091116/1258297445
▼「何かになりたい」と願うとき、僕らのパワーは落ちてしまう
「何かになろう」と思うとき、
「今の自分はダメだ」という意図が、どうしても含まれます。
すごくわかりやすいのは、
ある人に、「あなたは理想ではない」と言われたら・・・
という想像です。
すげえ嫌じゃないですか?(笑)
その人が仲の良い相手だったら、より嫌ですよね。
でも、実は、
同じことを、「自分自身に言われている」んです。
「何かになりたい」と思うとき、
「理想の自分になろう」と考えているとき、
「あなたは理想じゃない」って、実は、自分に言っちゃってる。
しかも、
くりかえし、くりかえし。
誰よりも自分のことを知っているような親しい人に、
「あなたは理想じゃない」って、繰り返し言われる。
そんなもん、辛いに決まってます。
実は潜在意識で、そんなことが起こってる。
自覚してないことが90%以上ですけどね。
それで、パワーが落ちるんです。
自己否定が混ざるから。
もっと言えば、「自己否定が根っこにある」から。
だから、
「理想の自分」追いかけるのって、
希望に向かっているようで、実は、
自分で足元を崩してしまうような行為なんです。
▼ 「今の自分」の延長上にこそ、希望がある
ここまでで、きっと、
「なぜ、自分の性格を変えようとすると結果が出ないか」が、
イメージできたんじゃないでしょうか。
成長することを、「伸びる」と言います。
これはすごく大事なヒントで、すごいスピードで成長する人って、
どこか、「のびのび」してる。
その人らしく、のびのびしてる。
ずっと売れてるような芸能人も、そうです。
「最近どんと売れ始めた芸能人」は、もっとわかりやすい。
気張ったところが抜けて、「らしさ」が
よい感じで出てくると、出番(=人気)が増えますよね。
最近でいえば、
アンジャッシュの渡部さんとか、
オリエンタルラジオのあっちゃんとか。
見ていてハッキリと、
「理想の自分」ではなく、「自分らしさ」を肯定しはじめた。
(前はそうではなかったです)
あれは、否定のパワーが、
肯定のパワーに切り替わってるんです。
「今の自分を許せないスタンス」から、
「今の自分を許すスタンス」になってる。
だから見ていて、印象がいい。心地良い。
悲壮感、プライド、コンプレックス、いらない必死さ
などの匂いが消えていきましたもんね。
(こういうのは、見てて気持ちよくないんです)
おかずクラブのオカリナさんなんかは、
出て来た当初から、そうですね(自分を許すスタンス)。
やっぱり、すごい売れ方をしてる。
「見ている人をリラックスさせる」ということ。
大事かつ根本的な魅力です。
その代表のものすごく最たるものが、
蛭子能収ですね。
(なんとなく呼び捨てにしたくなる(笑))
▼「 変える」でなく、「活かす」へ
「理想の自分」が、「今の自分らしさ」と
フィットしないなら、それは追うべきじゃない。
・・・というより、もっと正確に言えば、
それは「理想の自分」じゃなくて、「幻想の自分」なんですね。
「自分の幻想」って言ってもいい。
そりゃあ、追いかけても届かないし、苦しいですよね。
幻想なんだもん。
だから、
ドジならドジなままで。
臆病なら臆病なままで。
ネガティブならネガティブなままで。
「性格を変えようとする」んじゃなくて、
「性格を活かそうとする」ように。
・・・それが難しくても、せめて、
「性格をフォローする」ように。
そう思えたら、ずいぶん楽なはずなんです。
頑張らなくても、がんばれるはず。
▼ 変えようとすべきは、行動習慣(=時間割)
変えるべきは、『行動習慣』です。
性格じゃない。
行動習慣って、具体的にどう変えるのか?
・・・といえば、「時間の使い方」と、
「注意点の設定」です。
▼毎朝、起きてすぐ何をするか?
▼毎晩、寝る前に何をするか?
▼出かける前に何をするか?
▼帰宅したときに何をするか?
▼仕事にとりかかる前に何をするか?
▼仕事が終わったときに何をするか?
▼自分らしさがもっと魅力的に出るように、
何をする?学ぶ?準備する?何の力を借りる?
▼自分らしさが悪い出方にならないように、
何をする?学ぶ?準備する?何の力を借りる?
▼自分らしさを知るために、何を体験させる?(自分に)
▼今、自分らしさを封じ込めているものを
はがすために、何ができる?
▼人と接するときに、何に気をつける?
▼人と接するときに氣を付けていることのうち、
何をやめる?
――たとえば、こんなこと。
で、実は・・・
▼今、自分らしさを封じ込めているものを
はがすために、何ができる?
このための最初で最重要な一歩目が、
「性格を変えようとするのをやめる」ことなんです。
だから、今回の記事にもし納得できてたら、
もう一歩目を踏み始めてます。
ぜひ、次のやりやすいものから、
自分にちゃんと聴き直してみて下さい。
というわけで。
ストレス源のさらに根っこにあるブロックが、
ふわっと溶けることを願って・・・。
ではでは、くれぐれも、お大事に!
自分らしさって、自分より周りのほうがよく知ってますね。