いい答えが出てこないときってほとんど、
質問が間違ってるんだよ。
■ ストレスの元にあるのは……?
ストレスの元には「問題」がある。
それも、解決が「やっかいな」ものです。
解決が簡単なものは、ストレスにはなりません。
ポイと捨てればいいだけの軽い紙クズには、イライラする
必要がないからですね。
解決がやっかいという「やっかい」の内容は……
● 問題そのものが難しい(理解)
● 解決策はわかっているが難しい(実行)
● 面倒くさくてやりきれない(心理の抵抗)
という3つがメインになってきます。
多分、あなたの問題(悩み)も、
このどれかに当てはまりませんか?
こういった「やっかいな問題」、放っておけば
ずっとストレスの元になります。
それどころか、少しずつ拡大していく傾向があります。
止めないといけない。
その一番大切な方法は、「とにかく何とかする」なんて
精神論ではありません。
「まず、やっかいじゃなくする」
ということが、解決への最短の一歩目なんです。
そのヒントとなる、遊びを、
ちょっとやってみましょう。
■ 木に虫がついてたら、どうする?
新人研修をしてた頃、すごく好評だった「考えアソび」です。
問われるのは、論理の力です。
「木に虫がついていたら」
……どうします?
ちょっと考えてみて下さいね。
……はい。では、
よくあった回答をロジカルじゃない順にいくと……
△「虫、とりまくる!」
△「殺虫剤をまく!」
○「木全体をよくみる」
○「その虫について調べる」(害虫とは限らないから)
◎「その木って、誰の木ですか?」(困らないなら放置も一手)
◎「その木をどうしたいんですか?」(目的による)
こんな感じです。
下に近ければ近いほど、よい。
というか、楽なんです。
問題が増えないし、大きくならない上に、
解決策が「ツボ」をつくことになるので、解決が早い。
それが「ストレスをためない」究極のコツです。
■ ストレスが増える悪循環のパターンとは?
何かが起きたとき、
というより「起きたように見える」とき、
いちばんよくないのは「発作的に反応すること」です。
「悪口言われたと思ったから攻撃を返した or 殴った」みたいなやつ。
これがさっき紹介した理想形の、真逆ですね。
問題が増えるし、大きくなるし、解決にはならないから、
ストレスはどんどん増えちゃうわけです。
本当はどういう考えがいいかといえば……
●本当に悪口だったのか?
●悪口だとしても、「そう言わせただけの理由」は何?
●今の全体の状況は?
●その人の状態は?
●その場は誰の場?
●そもそも、どうもっていきたいのか?
●土台、どういう自分でありたいのか?
こんな感じです。
攻撃(言葉)も殴るもそうですが、
「後戻りできない行動」なんですね。もう悪影響、出ちゃうから。
1)「まわり(自分もふくむ)が見えて」
2)「解決の糸口がわかって」
3)「的を絞ったやり方がつかめたら」
やっと、有効な行動ができる。
この1~3を飛ばしちゃうと、ダメなんです。
すごいスピードで不幸になる。
でも、失敗しちゃうときって、大抵、
1が抜けてるんですよね。
2、3が抜けてることも多いけど、
1がダメだと、当然、2も3もダメなんです。
ちゃんと考えたつもりの解決の糸口でも、実行法でも、
まわりが見えていないなら、幻ですから。
■ 行動力より大切なものとは?
行動力はたしかに大切だけど、
ぼくは「行動」をそもそも2つに分けたいんです。
「確認行動」と「実行行動」。
大切なのは、確認行動のほうです。
これが抜けがちで、間違うから。
そのあとの実行行動じゃないと、ロクな結果にならない。
肩こりだってそう。
「肩がこる」→「じゃあ、そこ揉もう」なんて、
「虫がいるからとりあえずつぶそう」と変わらない。
原因は何?
全体像は?
そもそもどうなれば理想なの?
そんなふうに考えたいんです。
まず、確認行動から。
診断しないで薬出す医者とか、信用できないもんね(笑)
ホントは、マッサージ師だって整体師だって、同じなんです。
この論理の力は、
健康に関しても、すごく大切です。
■ 問題は「数と重さを減らしてから」対処する。
ポイントは、これです。
問題はまず、軽くするんです。
対処よりも先に。
解決が上手な人は、必ずこれをやっています。
「解決しなくてもいい」という結論さえ、
ちょくちょく出て来ます。
まさに「戦を省略する」、戦略的な考え方です。
問題の数を減らす。
問題の重さを減らす。
それができたら、解決が簡単なのは当たり前です。
その具体的な方法が、
3つの質問です。
■ 3つの質問
1)それは本当ですか?
2)それは誰の問題ですか?
3)問題のポイントは何ですか?
これら3つの質問が、「問題以前の問題」です。
そして、この順番に、重要です。
まずは、1から。
1)それは本当ですか?
--------------------------------------------------
これほど重要な質問はありません。
そもそも「事実でないこと」におびえる性質が、
人間にはあります。誰にだって。
現実ではなく「脳内」で、起きている(と思い込んでいる)
問題に右往左往してしまうケースが、
「問題と呼ばれるもの」の7割です。
▼あの人に嫌われてしまったかもしれない
▼自分は何かの病気かもしれない
▼悪い方に進んでいる気がしてしょうがない ……etc
だから、「本当のことしか相手にしない」だけで、
問題は「7割引き」になります。
それは、
「事実」と「解釈」をわけるということ。
「~と思った」「~と感じた」を、判断の材料にしないということ。
感情に溺れる前に、『事実確認』をするということです。
たとえば、虫がついていたときに、
「虫は悪いものだと思うから、殺虫剤をまいたほうがいいと思った」
というのは、2つも解釈(思い込み)が含まれています。
理解も対策も、間違っている可能性が高すぎる。
というわけで、具体的な使い方としては……
○虫が悪いものだというのは、本当ですか?
(違うかもしれません。無害の虫だってたくさんいます)
○殺虫剤を使ったほうがいいというのは、本当ですか?
(虫が無害だったら無意味ですし、たとえ有害だったとしても、
木自体が傷むリスクがあります。他の手段がいいかもしれない)
こんな調子です。
これだけでも、問題がそもそも消える可能性もあります。
また、間違った対処で被害が広がるリスクも減ります。
かなり大切な前提として、
「間違った対処だったら、しないほうがマシ」
ということが、泣きたくなるほど多いのです。
「傷口にうっかり塩を塗る」のが、人間のドジなところですから。
「それは、本当ですか?」
解釈や予想が、判断の材料にふくまれていませんか?
(他人の解釈、他人の予想も、もちろんNGです)
確認はとれていますか?……特に、本人の。
いちばん、頻繁に使いたい質問です。
2)それは誰の問題ですか?
--------------------------------------------------
次に大切なのが、これです。
それは誰の問題ですか?
もっといえば、
その問題を解決すべき主役は、誰ですか?
(あなた以外の人じゃないですか?)
問題が多すぎる(ように思えてしまう)人のほとんどは、
「自分の問題じゃない問題にまで首を突っ込んでいる」
ケースがほとんどです。
そして、
「どうしたらいいんだろう?」と悩んでしまう。
これ、悩んで当たり前なんです。
なぜって、「あなたが主役じゃないから」。
必要な情報もそろっていないし、
有効なアイディアが出るほうがおかしい。
そして、これもアッタリマエなんですが、
「思い通りに進展しない」。
主役が、自分じゃないからです(笑)。
しつこいようですけどね。
たとえば、木に虫がついているときだって、
その木が自分のものじゃなければ、解決のしようがありません。
▼そもそも大事な木なのかどうかもわからないし、
▼もしかしたら虫のほうが大事なのかもしれないし、
▼木についても何の木かも詳しくは知らないはずですし、
▼今後、その木をどうするつもりなのかもわからない。
(もしかしたら処分する予定かもしれません)
――それが、主役じゃないということ。
問題というのはごくごく個人的なものなので、
手助けはできても、「代行」はできません。
それは有効じゃないし、場合によっては迷惑にもなる。
脇役にはできないことがあります。
そして、脇役にしかできないこともある。
大切なのは、その区別です。
望まれてもいないのに、助けようとしてはいけません。
そういうときは決まって、
あなた自身が主役である本当の問題が、置き去りになります。
(自分の問題からの逃避のために、他人の問題に向かう傾向もあります)
そう、誰も幸せにならないんです。
「それは誰の問題ですか?」
あなたの問題で間違いないですか?
……それは、本当ですか?(笑)
もし違うなら、ノータッチです。
ノータッチでいい、のではなく、
ノータッチ「が」いいのです。
タッチしなきゃ、自分がいなきゃ……というのは、
思い上がりでしかないこともあるし、
相手本人の力を信じていない裏返しでもあります。
求められたら、もちろん、手助けはしましょう。
でも「求められて、その中で応えたい&応えられる分だけ」が、
「あなたの問題になった範囲」です。
それをこえると、またゆがんできちゃうわけです。
厳しいこと書いちゃってますが、
誰も幸せにならない努力なんて、
ソッコーでやめたほうがいいんです。
ほんとうに。
3)問題のポイントは何ですか?
--------------------------------------------------
さて、
中には、1も2も潜り抜けてくる問題があるでしょう。
事実に基づいていて(本当で)、
他の誰でもなく自分の問題というもの。
実はこれらのチェックポイントを通過して3まで
来る問題が、よくよくみていくと、
全体の3割ぐらいしかないわけです。
ここまで来てはじめて、
「本気で考える価値のある問題」となります。
そこで使う質問が、
「問題のポイントは何ですか?」というもの。
分解すると……
1)そもそも何から始まった?(発端ポイント)
2)どこで一番止まるべきだった?(原因ポイント)
3)変えられる中で一番効くのはどこ?(解消ポイント)
という3つです。
発端→原因→解消。
この順番で考えるの、オススメです。
発端のまわりにこそ原因があるし、
原因がはっきりしてこそ解消案がまともになります。
この流れだと解消案が、具体的かつ有効になりやすい。
逆に、発端も原因もわからずに
やぶからぼうに問題に手をつけると、
「ヤケドをすることになる」わけです。
下手をすると「火が他に燃えうつる」リスクさえある。
ちょうどいいからそのまま火事に例えるなら、
考えるべきステップは、
着火点(発端)→火種(原因)→消化点(解消)
というイメージですね。
「問題のポイントは何ですか?」
3つもあるから、面倒に思えるかも知れない。
でも、下手に手を付けてヤケドするよりも、
他の人まで燃えるよりも、よっぽど面倒じゃないんです。
人間、一番疲れるのは「空振り」ですからね。
■ ストレスの原因を消すために
3つの質問。
ほとんどの問題に適用できるはずです。
今頭を悩ませているものについて、
さっそく見直してみて下さい。
幻が消えたら、びっくりするほど、まわりが見えます。
気持ちにも時間にも、余裕ができます。
「マヌーサ」(@ドラクエ)が治るようなもんですから。
大事なことは大事にしたらいいけど、
大事じゃないことは、大事にしちゃいけないんです。
アホみたいに聞こえるでしょうけど、
実際に、これができていないときに、人は
忙しくなり、余裕がなくなり、成果が出なくなるんです。
仕事でも、家庭でも、なんでも。
本質、ついていきましょう。
ではでは、くれぐれもお大事に!
他はさわらずに「ツボ」だけ押そうぜ、って話です。