「新しい長靴をはきたくて、雨が待ち遠しかった」
そんな幼い記憶、ありませんか?
日傘を買ったんです。
UVカットはもちろん、太陽熱までカットする。
「体感-2℃」と言われてましたが、嘘じゃないのね。
ほんとうにすごい違い。
もちろんね、「涼しい!」とまではいかない。
ただ「日かげを持ち歩ける」ような嬉しさがあるよ。
傘がないよりずっと楽だし、
今までただ耐えるしかなかった熱波という強敵に対して、
「あたいにだって、できることがあるんだ!」
という感じ。克服感というかね。
それも「込み」で、過ごしやすさが段違いです。
おかげで、カンカン照りでも外出がイヤじゃなくなったほど。
現金なもんだな。
でも、しょせん現金な生き物で、よかったなぁ……
完全な克服なんて、いらないのかも知れないね。
一部、克服できる。
少し、軽くなる。
前ほど気にならなくなる。
それだけで、ずいぶんと自由になれる。
日傘が、ぼくの背中を押してくれたように。
「小さくても手づかみの希望」を
見つけていきたいね。
もしかしたらそれは、
「大きくて完全な希望」よりも
ずっとリアルな力を、
与えてくれるかも。
真っ暗な部屋を出ていくのがたとえ難しくても……
窓がすこし開けば、
新しい明かりも、風も、温かみも、入ってくるもんね。
てもと、あしもとに。