「気づいたら、去年の夏よりずっと楽になってました!」
……そう話してくれたのは、パニック障害がひどく、
1人では外出が一切できなかった30代の女性です。
ご主人の付き添いでいらっしゃって……
1人でうちに来られるようになるのに、2ヶ月かかりました。
でも1年後の今、こんなにひどい夏に、全然負けてない。
「今まで3年以上、何をしてもどんな薬でもダメだったのに、
初めての永井先生の施術で、息がスーッとしやすくなったんです。
それがあったから通い続けられたし、今があるんだと思います」
逆にいえば、最初の変化は「呼吸だけ」でした。
でも、彼女はとても正しい。
すべては大抵、「1点」から始まるんです――
たとえば、大っきな岩があったとしてね。
それがどんなに頑張っても、ビクともしない。
だったら、「今動かすのは難しい岩」です。
でもね、よいしょー!ってやったときに、
1mmでもいいんです。
1mmでいいから、動いたとしたらね、
それは「動かせる岩」なんです。
この違いを、想像してみてほしいんです。
1)「動かない岩」
2)「今は動かすのが難しい岩」
3)「ほんの少しずつでも動かせる岩」
それぞれ、天と地の差ですよね。
1mmでも動くなら、
これからもっと、動かしていける。
もちろんそれは……
1)「改善の余地がない症状」
2)「今は改善が難しい症状(下準備が必要)」
3)「ほんの少しずつでも改善が見られる症状」
同じことです。
これをね、どうか、間違えないでほしい。
改善の余地がない1なんて、そうそう、ないよ。
本当は改善に時間がかかるだけの2を、
改善が無理な1だと勘違いしちゃいがちなんです。
はっきりわかる変化が出始めるまでに時間がかかるから。
でも、誤解しちゃもったいない。
治るにしたって、準備が必要だってだけです。
ぼくたちだって、
寝起きにいきなり「全力ダッシュしろ!」って言われても、
イヤだし無理でしょう?(笑)
しばらく回復力くんも寝てたわけです。
血流が悪かったから、食べものもの少なくて寒いところで……
もうほとんど「冬眠」してた状況。
ウォーミングアップの時間をあげないといかんよね。
だから、焦っちゃダメなんです。
いいこと何もない。
まして、健康法なんかを試してみて、
もしほんの少しでも変化があったなら、
それがどんなに小さく、部分的だったとしても、
それは「動かせる岩」だからね。
「変えていける症状」です。
「まだまだ残ってるもん、よくならないよ!」
なんて思ったら、もったいないです。
そんな動きにくい岩にしちゃったのは、
自分たちだしね、厳しいこと言えば。
しかも必ず、時間をかけて小石から大岩に
なってきたわけだから。
そりゃあ、小石に戻すなり、きれいにするなりには、
時間がかかるよね。
それでもね、やっぱり強調したい。
「動く岩で、よかったね」って。
小さな変化を、大事に思おう。
早くよくなってほしいのは、わかります。
めちゃくちゃわかる。
でもね、3年間悩んでた症状がほんの少しでも変わったなら……
「3年家から一歩も出なかった引きこもりの子が
コンビニまで行った!」
みたいな話なんですよ。
それ、ものすごいことだよね。
そりゃあ、社会復帰という大目標から「引き算」しちゃったら、
まだまだ先は長いよね。
でも、「3年ぶりの一歩前進」の意味の大きさっていったら、
もう胴上げレベルでしょ?
そのコンビニ、一生つぶれないでほしい記念コンビニでしょう?(笑)
そしてやっぱり、
胴上げレベルで喜ぶ親をみたら、
その子、うれしいよね。
無理はできないけど、今度はスーパーまで行こうと思うよね。
そういう話なんです、本当に。
体にとって、そういう親でいましょうよ。
だからね、最後にもう一度だけ。
小さな変化を、大事に思おう。
体を「引き算」じゃなくて、「足し算」で見てあげよう。
あらゆるすべては全部、そこから始まるんだから。