「生きがいってきっと、
見上げるような大きなやつと、
手元で数えるような小さなやつと……
両方あるといいんだよ」 (名もなき老爺)
「生きがいは何ですか?」って聞かれて、
即答できますか?
ぼくはつい、大げさに考えがちでした。
「生きがい」というぐらいだから、
一生をかける価値のある何かじゃないと、いけないんじゃないか。
胸を張って堂々と宣言できるような、何か。
……でも、どうやら、そうでもなかったんです。
もっと言えば「それだけ」じゃなかった。
なぜ?
何に気づいたのか?
きっかけは、最近読んだ、小説なんです。
つよい言葉に出会いました。
その主人公の女の子は、高校生。
とはいっても、永遠に近い命を生きる特別な民です。
彼女もじぶんの命の果てない長さを、知ってしまっている。
よくも悪くも、覚めたところが目立つ子です。
そんな子に、女友達が、尋ねるんです。
「不満のほうが多いような、こんなつまらない毎日だけど、
何のために生きてるんだろうね?」
彼女は、ひとことだけ、答えました。
「続きが、見たいからよ」
……マジか。
なんてこと言うんだ……
「続きを見たいから、生きてるんだ」
ぼくは、胸を打たれました。
頭の中の「考える部屋」の窓がパタン!とあいて、
ビューッ!と爽やかな突風がふいたような……
余計なゴミがスッキリぜんぶ出ていってしまったような……
この言葉、すごくいい。
……ちなみに、質問をした女子高生の友達のほうには、
「よくわかんない」ってことで、
何も響いてなかったんですけどね(笑)
このアイディアに
どれぐらい共感があるのかは、わかりません。
でも、ぼくは本当にその通りだと感じますし、
人を励ます力を持ってた言葉だと感じたんです。
だってね、
「生きがいは何か?」って聞かれたら、答えに困りますもん。
そしたら、あたかも
「俺には生きがいなんて、ないんじゃないか……」って思えてきて、
凹んでしまうんです。悩みが深まっちゃう。
そうじゃなくて、
「続きが気になるものって、ある?」って聞かれたと
思ってみてください。
……いくつも出てきませんか?
それ、ぜんぶ「生きがい」と呼んでいいものなんですよ?
知らなくなかった?(笑)
たとえば、ぼくは……
● マンガ「バガボンド」がどう終わるのか(終わらないのか)氣になる
● サッカー日本代表がどこまで強くなるのか、氣になる
● 特に、ずっと気になっていた17歳の久保くんは、どこまで行くんだろう?
● 今更だけど最強のエンタメ古典「剣客商売」を最後まで読みたい
● 敬愛する上橋菜穂子さんの新作が楽しみでしょうがない
● 大好きだった宮古島は、この先、どうなってしまうのか?
……いくらでも、出て来ます。
つまり「外部のこと」でも、OKなんです。
外部のことだろうが、細かかろうが、
ぼくの背中を押してくれる「生きる理由のひとつ」として
有効だったんです。
もっと身近でいうなら、
● 大事な友達や、その子どもたち、スタッフたちはどうなっていく?
● ぼく自身の楽ゆる整体は、どこまで質を上げられる?
● ぼくと奥さんの関係性は、どこまでより良くしていける?
● ぼくが映像や文章に現せるパワーは、どこまで上げられる?
● ぼくに関わってくれる読者さん(つまりあなた)は、
どこまで健康になれる? 幸せになれる?
……続きが、見たい。
ありがたいことに、そう思えます。
たしかに、その続きを知るためにも、
まだ死にたくはない。
そして、できることなら、
その続きの中にちょっとだけでも、
ぼくが参加したい。
貢献したい。
続きが気になるということは、
イコール、未来に楽しみがある、ということなんだね。
当たり前のことかも知れない。
でも、この質問で心の中を掘ってみたら、
あなたも、
「気づいていなかった生きがい」を見つけるかも知れないよ。
ほんとうに大事だね、掘り方って。
新しくいい質問が見つかったら、
新しくていい答えが出てくる。
大きな生きがいもいいけれど、
小さくて確かで「手で触れる生きがい」を、
ちゃんと確保しておこうね。
というわけで……
あなたの「続きが気になるもの」って、何ですか?
書き出してみると、おもしろいよ。
ではでは、くれぐれも、お大事に。
「心配な存在」というのも、実は生きがいなんだなぁ……
■追伸:
「その小説、なんてやつですか?」
という興味をもってくれる人がいそうですが、
小説自体は、そこまでオススメできるものでは
ありませんでした。どないやねん!(笑)
そういうのも含めて、面白いですね。
すごいメッセージを持っていたんだけどなぁ。