楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

性格が良くなる意外な方法

性格が良くなる 自分を変える 方法



いじめられた過去がある。

きっと、ぼくだけじゃなく、
多くの人が、そうでしょう。

少なくとも、いじめの現場を目撃したことがある。
……これなら、ほとんどの人が、当てはまるでしょう。

いじめに関して、
昔から、ずっと疑問に思ってきたんです。
いじめっ子って、どうしてあんなにひどい性格になるのか。

……いや、違うな。
「いじめているとき、人はどうして性格がひどくなるのか」
こっちが真実に近いんです、多分。

実際、不思議に思ったこと、ないですか?

いじめ中じゃないときとか、仲のいい友達といるときは、
いじめっ子だってそう悪いことをしません。
むしろ、リーダー的で面倒見が良かったりもする。

その二面性が、余計に恐ろしい……

どうして、そんなことになるのか。
同じ人なのにね。

心理学から1つの答えが、見つかりました。
それはきっと「性格が良くなる方法」とも言えるものです。

 

ゾッとした事実なんですが、
「人は『反撃可能性』がないときに感情的・攻撃的になる」
という心理法則があるのです。

反撃可能性。
つまり「反撃されるかも」と思うかどうか。


たとえば、
何かに「カチン」と怒りを感じたとして……

反撃される可能性があると思えば、
時間とともに、人は冷静になるそうです。
なぜって「やり返されるかも知れない」とか、
色んなリスクをちゃんと考えるからです。

逆に、反撃される可能性がないと思えば、
時間とともに、人はヒートアップするそうです。
リスクがないと思い込んで、
「この野郎、この際だから、思い知らせてやる……!」
ってね。

すごい怖いですが、事実です。


たとえば、先ほどの「いじめ」。
まさにこれですよね。

実際に、
「反撃される可能性がないように見える人」が、
よくターゲットにされます。

そういうとき、攻撃すればするほど、
いじめっ子はさらにヒートアップします。
目がギラついて、息遣いが荒くなり、
周りが引いているのも構わず、攻撃の手を強める。
ますます、感情的・攻撃的になっていくのです。


でも、
ぼくは「逆転」を見たことがあります。

中学校の頃。
お昼休みでした。

いじめにつながりそうな「からかい」を受けていた子が、
あるとき、いじめっ子を押しとどめて、突き飛ばしたんです。
ドン、と。

ガタガタッ!と机や椅子にぶつかって倒れる、いじめっ子。
後ろに手をついて、腰を抜かしたようになっている。

クラスにいた全員が、予想外の展開に、
ハッと息を呑んで動けないでいる。

ぼくたちだけじゃなく、誰よりも、
いじめっ子本人が、口を開けて、ピタッ……と
止まっていました。


「二度とすんな、こんなことっ!!」


はじめて聞くような荒々しい声で、
からかわれていたその子は、叫びました。

彼は走るようにして、
顔をピクピクさせるいじめっ子を含めて、
誰も動けないでいる教室を、出て行きました。


その日から、彼はからかわれることがなくなりました。
いじめっ子も、少し大人しくなり、
やり返された相手である「彼」がいるときは特に、
誰のこともからかわなくなりました。
むしろ、もともと持っていた優しさが
表に出て来て、穏やかになったぐらいです。


――これがきっと、
「反撃可能性」の大切さなのだと思います。


反抗期に、ちゃんと「壁」として
叱ってくれる親が必要なのも、同じ理由でしょう。
きちんと叱られることがなかった子は、
性格形成において、自己中心的になったり、
他人への思いやりを育てられなかったりします。

ほんとうのほんとうは、
心の奥底で、本人さえ聞こえない叫びが、
「誰か、ぼくを止めてくれ」と
言っているんです。



どうして、こんな話を書いているのか。

そう、もともとは、
「性格が良くなる意外な方法」というテーマです。

要するに、ぼくたちは、
「反撃可能性」がちゃんとある世界で、
生きたほうがいいんです。

そうじゃないと、自分の中の
「感情コントロール機能」や「他人を思いやる力」が、
どうも弱ってしまうらしい。


具体的に、何が危ないか?
……「ネットの世界」です。

実際、
「反撃可能性」がない代表例が、
匿名で書き込みができる掲示版や、
Twitter、そして、YouTubeなどです。

いくらでも文句が言える。
相手が反論してくれることもあるけれど、
匿名なので、自分は守られている。
簡単に逃げ切ることができてしまう。

そういう場所では、ご存じの通り、
びっくりするぐらい攻撃的になる人がいます。

ぼくだって、けっこう嫌なことを書かれることがあって、
うっかりすると、心にダメージを受けるぐらいです。
善意で無料でやってることに対して、
よくもまあ、あんなひどいこと言えるよね(笑)

インターネット自体、
Twitterそのもの、
YouTubeが悪いとは、ぜんぜん思いません。

ただ、
無機質な「画面」を介して、
相手の心を考えもしないコミュニケーションが、
いかに性格をダメにしてしまうか。
本人の良心を殺してしまうか。

そのリスクは、知っておきたいと思うんです。

もちろん、危険はインターネット上だけではありません。

親に叱られない子ども。
先生さえ怖がって、強いことを言えない。
上司に叱られない新人。
言いたいことを面と向かって話せない人間関係。
会社を辞めるときでさえ「退職代行」できちゃう安易さ。

……そんな環境を当たり前にしちゃってたら、
本人の感情が、豊かさを失っていくんです。
人を思いやる能力(≒仕事力・モテる力)が殺されてしまう。
もちろん、その「八つ当たり」を受けて、
周りにも、心の健康被害は、広がっていきます。


つまり、
「性格が良くなる意外な方法」とは、
生身の人と真剣に接することです。

言うべきことをちゃんと言ってくれる相手、
異なる意見でも話し合える友人、
下手したら叱られるちょっと怖い目上の人、
傷つけたくない大切な人、
傷つけられたくない大切な人……

そういう、
「簡単には思い通りにならない相手」と、
真剣に接することです。

そう……「反撃可能性」という言葉を使いましたが、
大切なのは反撃だけではありません。
自分にとって「脅威」の可能性があることが、大切なのです。

大切な人から嫌われるのも、立派な「脅威」ですからね。
その関係を、怖いからといって避けないほうがずっといい、
ということです。
ハラハラ・ドキドキしようとも、
それも含めて心の健康と……なにより成長にすごくいい、ということ。

ミスチルの桜井さんも言っていますよね。

「一人きりの方が気楽でいいや。
 そんな臆病な言い逃れは、もう終わりにしなくちゃ」
               (@「365日」)

つってね。

この仕組みがわかったら、
ちょっと、視野が変わると思うんです。


苦手な上司の「効能」。
大事過ぎて緊張する人間関係の「効能」。
ネットでの付き合いさえ真剣にやることの「効能」。
匿名性を捨てて生きる「効能」。


時代に逆行してるように思えるかも知れない。
でも、ぼくは逆だと思うんです。

デジタルが当たり前過ぎるぐらい当たり前になった今、
アナログの力の価値が、上がってきています。


「若いときの苦労は買ってでもしろ」
なんて暑苦しいことは言わないけれど……

「苦労する価値のあることは、間違いなくたくさんあるぞ」
とは思うんです。
それに、
「苦労してきてないやつの価値は、下がる一方だぞ」
という厳然たる事実も、あるしね。



あ、もちろん、
付き合ってはいけない本当に害な人もいるので、
そういう人は、避けましょうね(笑)

「耳が痛いことを言ってくれる人」
「正しい内容で叱ってくれる人」とかが、
まともな人ですからね。

「やたらと人格攻撃してくる」とか、
「理不尽にいつも怒っている人」は、
ある意味「ご病○」なので、全身全霊をかけて、避けましょう。

そこはほら、ぼくも、
「価値ある苦労を選ぼう」っていう世代ではありますからね(笑)
なにせ、本当に変な人も、増えちゃってるからね……


というわけで、自分の性格を、育てましょう。
そのための「スパイス」が、周りにたくさんある。
そう思ってみたらどうかな。

痛みにも価値があるみたいだぜ。


……そんなお話でした。


ではでは、くれぐれも、お大事に。
モノや人に当たるのも逆効果だって証明されたみたいよ。