楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

ぼくの憧れ「初台のエディマーフィー」

ぼくの憧れ「初台のエディマーフィー」



「大人としてモテるのって、
 どんな人なんでしょう?」

こんな質問を頂きました。

「大人として」というのは……

 
●友達に恵まれている
●お客さんにもモテて仕事がもらえる
●異性にも「結婚したい」と思われる
●親子・家族関係も豊かである

といった意味のようです。
たしかにそれは、素晴らしい!

――でも、
なんでぼくに聞くことにしたの?(笑)


まあ、とはいえ、
たしかにぼくは、仕事やお客さんには
すごくすごく、恵まれてきました。
(友達はごく親しい少数だけですがw)

せっかくだから、よくよく考えてみたところ、
結論……

大人としてモテる1番の条件は、


「信頼感」


だと思います。


目をひくとかおしゃれとか、
そういうことよりも、
もっと長期感覚で「一緒にいたい」と
思えるようなね。

で、本番はここからです。

じゃあ、具体的に、
うっかり人として好きになってしまうような
「信頼感」って、何から生まれるのか?

誰もが欲しいに決まってるけど、
どうやったら、つくれるのか。


2つ、あると思うんです。


その条件をぼくに気づかせたのは、
とあるナイスガイ。

ぼくが
「初台のエディ・マーフィー」と
呼んでいる、ある焼き鳥屋の兄ちゃんです。

その彼……エディは、40代前半ぐらい。
日焼けなのか地黒なのか、
もしかしたら「炭火焼け」なのか、
健康的な小麦色。
もちろん、クチビルはだいぶん厚めです。

ノリが良く、なぜかいつも楽しそうだけど、
敬語は苦手。
「この白レバー、マジでハンパなくうまいっスよ……」
的な口調で、いたずら小僧のようにニヤニヤしてる。


忘れられないのが、
オーダーミスがあった夜のこと。

最初に注文した「ささみ納豆」が
30分しても全然、来ない。
つくってる様子もない。

それでエディに、聞いたんです。
最初に注文した ささみ納豆って、
注文は通ってますか?って。

そしたら、
バイトの子たちにサッと確認をとったあと、
ものすごい困った様子で
顔をしかめて見せながら……

「すいやせんっ!!こちらのミスで!!
 今すぐ用意さしてもらってもいいッスか?
 ほんとすんませんっ!」
つってね。


別に急いでもいないので、
お願いしますって答えて、のんびり待ってました。

そしたらわずか5分ぐらいで
ささみ納豆、出て来たわけですが(笑)、
これがまた、うまい。
汁気がないささみと、納豆のしっとり感がマッチして、
ささみがトロトロに、うまい……

「お待たせしやした!」つってね。
アゴをくいって前に出す感じの会釈をして、
またこう、憎めない顔、するんですよ。


で、その3分後ぐらいに、
上目遣いにこっちを見ながら、
スーッって、ししとうの串を、くれるんです。

「さっきのマジ、お待たせしちゃったんで、
 これ……サービスっす」
って、小声でね。

ここでけっこう大事なポイントとしてね、
ぼくも奥さんも、
ししとう……別に好きではないんです(笑)
今まで頼んだこともないしね。
(エディには何回も会っている)

でも、やっぱり、うれしいんですよ。
「ごめんちゃい」って感じの顔とか、
コソコソした小声とかが、
わざとらしくなくてね。


その後、しばらく楽しく飲んで、
けっきょく充分に満足して、
お会計して帰ろうとした、
そのときです……

「今日はほんと、
 オーダー抜けちゃって、すいやせんでした!」

って、エディがまた、
声をかけてくるんです。

――あぁ、礼儀正しいなぁ。
改めて、そう言ってくれるのか。
って思ってね。
でも、ぼくらはむしろ楽しかったぐらいなので、
(ししとうももらったし)

いえいえ全然!

……って答えようとした、そのときです。

エディはまた、
すごいキュートな「ごめんちゃい顔」をしつつ、
隣にいるバイトの女の子の顔をハッキリ指さして、
言ったんです。


「もうね、
 こいつがやったんスよー、オーダーミス!
 ホントにもう、ねっ!」


……


……マジか!(笑)

そこ普通、
上司として、部下をかばうところじゃないの?w

わざわざ別れ際に言うこと?www


そのバイトの子も
一回ビックリして、すぐぼくらに謝った後、
笑いながらエディをバシバシ叩いてるんですよね。
「今言わなくてもいいじゃないですか!」って。
赤い顔しながらだけど、楽しそうに。

いやー、あれは、
好かれてんでしょうね。


そこまで「ダメな上司」をキッチリやられちゃうと
ぼくらも面白いから、
そうなんすか!つってね、
ガッハッハ・ガッハッハ笑って、
満足が大満足になって、お店を出たんです。


エディ、さすがだなぁって、
奥さんと話しながらね。


でもね、あんなエディですけど、
仕事はめちゃくちゃ早いし、
あの人が焼き場にいるとき、
鳥も野菜も、とにかくうまいんです。


「ちびまる子ちゃん」の「はまじ」を
大人にして、エディマーフィーとミキサーにかけて
一晩寝かせたような顔なんですけどね。


「大人としてモテる人」
って聞かれたらとき、
真っ先に浮かんだのは、このエディでした。



エディは、いつも「本音」なんです。

敬語は苦手だけど、まったく不快じゃないどころか、
居心地がいい。いろいろ言いやすいし、聞きやすい。
それは彼に、ウソがないから。
弱いところも「割と丸出し」だからです。

たぶん、ミスを部下のせいだってわざと言ったのだって、
半分はギャグかも知れないけど、
半分はしっかり本音なんです(笑)
そのリアル感が、面白いんですよね。

ただし、仕事はできる。
得意なことが、きっちり1つある。

たぶん、
この2つだと思うんです。

「本音が割と丸出し」と「得意なこと1つ」が、
信頼感の正体なんじゃないかな。
大人としてモテる人。


きっと、
「相手が本音を話してくれる」というのと、
「こっちも本音を話しやすい」というのが
両立したとき、
ぼくらは強い安心を覚えるんです。

エディは、
まったくカッコをつけません。
それに、決してカッコ良くはありません(笑)
でも、魅力はすごいです。

カッコつけてて、
実際本当にカッコいい人より、
モテたりするんじゃないかな。
周りに人が集まってきたりして。


ぼくは、エディみたいには、
まだまだやれません。
「カッコつけたい」のが、まだ残っちゃう……

でも、
年をとってどんどん見た目が衰えていっても、
彼のような魅力だったら、全く衰えないと思うんです。
むしろ「憎めないじいさん」として、
ますます好かれるでしょう。

目指すべき「モテ」は、
そっちじゃないかと。
こんな時代だから、余計にね。

しかもね、きっと、
「カッコよくモテる人」でなく、
「人として人間臭さも含めて信頼される人」を
目指し始めた時点で、
もう、けっこう違ってくると思うんです。

見栄とか、プライドとか、
質の低い競争心とか……いらんもんをけっこう、
捨てられますからね。
(すごくモテるのにジャマになるものたちだから)



というわけでまとめると……

「大人としてモテる」には、
「カッコよさ」より「信頼感」を目指すこと。

そのためには、
「本音が割と丸出し」と「得意なこと1つ」を
大事に磨いていくこと。

この2つが、
道しるべとして、使えるんじゃないかな。

現在39歳のぼくは、
そんな風に、考えましたとさ。



ではでは、くれぐれも、お大事に。
エディがいない日は、まったく別のお店のようです……
(さみしい)