楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「失明の危機」と、デザイナーの決断

「失明の危機」と、デザイナーの決断



「このままでは、目が見えなくなるかも知れない」
――医者から、そう告げられた。
実際、見える範囲が、どんどん狭くなってくる。

……こんな怖いこと、ないよね。

ぼくが敬愛する、
そのデザイナーさんは、目の難病でした。
奇跡でもない限り、治らない。
どこまで悪化するかも、わからない。

そんな絶望的なリスクを
お医者さんから伝えれたとき、彼は、どう考えたか?

 


なんと……

「じゃあ、自分の会社を立ち上げる」

という決断をしました。



……え?

なにそれ? 
どういう発想?

……って、思いますよね。


でも彼は、その決断によって、
失明の最大の危機を、乗り越えるんです。

それどころか、
ものすごい勢いで働いて、お客さんをつくって、
自分のデザイン会社をあっという間に成功させました。


僕は彼に、聞きました。

「なんでそんなヤバかったときに、
 会社をつくろうって考えたんですか?」


そしたら彼は、
あっけないほど軽い口調で、答えました。


「まだまだ目が必要だって、体に教えたかったから」


……


…………


……………………


……すげえ。

しかも、
結果も、すげえ出してる。

もともとセンスの塊で、
独学なのにめちゃくちゃカッコいいデザインを作ったり、
業者でも原因がわからんようなパソコンの故障を一瞬で直したり、
財務担当として、1,000万も無理なはずの資金状況で
5,000万銀行から借りてきたり……

ちょっとおかしな人です(笑)
すごいところ、変なところは、
数限りなく、ある。


でもぼくが、
彼について何より忘れられないのは、

「まだまだ目が必要だって、体に教えたかったから」

という、
この言葉なんです。


まるで、その決断の正しさを裏付けるかのように、
10年以上たった今でも、
彼の目は、光を失っていません。

ちょくちょく面倒くさく感じるほど元気で(笑)、
今でもたまに、一緒にメシを食べに行っています。



さて、ぼくらは、
この事実から何を知っておくべきでしょう?

それは……

●安静に「しない」ほうが良いこと、マジで多いぜ。

というポイントです。

もっと言うなら、

●安静に「しない」ほうが良いことが多すぎて、震える。

という嘆きです。


うちにも、たくさん、来られます。
「とにかく安静にしなさい」
という指示をされた、お客さんたち。

ほとんどの場合、ぼくは、
「安静にしないほうがいいと思います」
と、告げます。
(ごくたまに、ひどいケガなどの例外はあるけど)

もちろん、
本人の痛みや状態、お医者さんの判断やその根拠、
実際の体や筋肉、骨の強さなどを細かくチェックしてから、
慎重に伝えています。

で、
「安静にはしなかった」結果、どうなるか?

ほぼ例外なく、良くなります。
本人やお医者さんも、驚くようなスピードで。


これは感動的な話のようでいて、
本当はね、悲劇なんです。

だって、考えたら怖くないですか?

もしも、
安静にする指示を守り続けていたら、
どんなに不自由な未来が待っていたか……
治りも遅く、外出もせず、
いろんな場所がすごいスピードで年老いていくのですからね。

そして、
実際に「そう」なってしまっている人が、
ぼくが知らないところに、
どれだけ多くいるのか……

想像するだけで、怖いです。
(だから、今回、この記事を書きました)


じゃあ、いったいなぜ、
こんなことが起きるのか?

ほとんどの場合は、

●安静を指示した人の不勉強や保身
●両者のコミュニケーションのミス

……です。

ただ、ここはもう、深くは触れますまい。


大事なのは、
「本当はどうすべきか?」
です。

ぼくが考える、本当の「安静」は、
『安全な範囲で静かに、ちょくちょく動かすべし』です。
そのほうが、ずっと早く治ります。
そのほうが、ずっと、心が弱りません。

だってね、
お医者さんに言われたら、そりゃあ怖いからね、
「激しい運動は避けたほうがいい」と言われただけなのに、
ストレッチまでやめてしまう人がいるんです。
「必要以上に慎重になって、ほとんど出歩かなくなる」
ってことも、あるしね。

ひどいときには直接、
「外出しないほうがいい」なんて言われたりする。


それさぁ、その人の人生のこと、考えてる?
ケガや病気だけ見て、人間のことを見てなくない?

……って、
ぼくは思ってしまうんです。


1つ、
どうか忘れないでほしいキーワードに、
「廃用症候群」(はいようしょうこうぐん)
というのがあります。

これはつまり、
「使わなさ過ぎて機能が落ち、ダメになりかけてる」
という状態のことです。


「そう」なるよね?

「外出禁止」って、けっこうおかしな指示でね、
たとえば、膝をケガしたからといって、
しばらく外出を一切しなかった……としましょう。

そしたら、まず、膝が治りにくいです。
それだけでもバカげた話なのに、
それだけじゃないですよね?

足腰は弱り、体重は増えて、
神経はメリハリをうしない、メンタルが下がり、
肉体疲労が足りないから睡眠は浅くなり、
刺激がないから脳は衰える……わけです。

いわゆる、
「外出が減ったお年寄りがすごい速度で弱り、
 ボケてしまうリスクも激増する」
というのと、同じです。

「廃用症候群」が、モロに起きてる。
脳からしても、
「使わないんだったら、他に栄養を回すね」
って話になっちゃうんです。


他にも、たとえばね
(↑怒りが止まらないらしいw)
会社組織で考えたら、このおかしさが、
もっとよくわかります。

社員に一人、体調不良が出たとしましょう。
そんなときに、

「じゃあ、みんな無理しないほうがいいから、
 全社、お休みにしよう!」

って……なら「ない」よね?
そんな会社、速攻でつぶれますよね(笑)


そうじゃなくて、
その子がいないながらも調整しながら仕事を回す。
それが自然なことです。

その流れを止めないことで、
会社全体は潰れないし、
やがて体調不良から復帰したその子も、
スムースに業務に戻れます。

体だって、同じことだよね。


もしも……

ぼくの敬愛するあのデザイナーが、
「目をあまり使わないようにしよう」なんて
思ってたら、どうなっていたでしょう。

もちろん、
仮定の話だから、断言はできません。

でも、人生は、かなり違ったものに
なっていたでしょう。



ぼくは別に、
「誰もがいつでも動きまくれ!」なんて
言うつもりはありません。
本当にじっとしていたほうがいいとき・部位、
というのはあります。

でもそれは、かなり少ないケースじゃないか、
って、そう思うんです。

【人生がやせ細ってしまうリスク】を、
真剣に考えようぜ!
って、訴えたかったんです。

医療従事者なら、そこまで考えてよ!って、
お願いしたいんです。


車だってそうだけど、
「動くから充電できる」部分って、すごくある。
「適度に使うからこそ長保ちするもの」が、
ほとんどですよね。

ちなみに、ここまではちゃんと
生理学的(西洋医学的)に説明してきたけど、
氣的(東洋医学的)に考えたら、
より「動くことの大切さ」は、大きくなります。

要は、動かすことって、心身の【充電】なんです。


よくいうよね。

ぼくらの食べものは、メッセージである。
内臓に対して「こんな体をつくってほしい」と
伝えているんだ……ってね。
だから、変なものばかり食べると、変な体になる。

それは、本当に、そう。

そして、同じように、
ぼくらの言葉は、メッセージである。
「こういう人間であろうとしている」と
脳に伝えている。
だから、悪い言葉ばかり使っていると、人品が悪くなる。

最後に、
ぼくらの動作は、メッセージである。
「こんな使い方にあわせて発達してほしい」と
脳と全身に伝えている。
だから、あまり動かないでいると、動かない体になる。

だからこそ逆に、
「できるだけ動かそう」としていたら、
「できるだけ動く体」になっていく。


結論は、単純だよね。

「そうなりたい」ように、やる。

「病人のふり」をしない。
病気だとしても「病人らしく」はしない。
無理のない範囲でね。

「健康なふり」をしろとまでは言わない。
でも「健康だったらこうしたい」というものに
近づけようとは、したほうがいい。


だって、脳が見ているから。
だって、体が見ているから。
だって、潜在意識は感じ取っているから。
(神様的なものも、割と、ね)


さて、今、どうなってますか?

あなた自身や、あなたの大切な人たちは……
体の習慣を通して、
どんな「指令」を伝えていますか?

「不要な安静」に、なっちゃってない?


「あなたが必要だ」ということを、
ぼくらだって、言われたい。

同じように、
あなたの体だって「お前さんが必要だ」って、
言われたいんです。あなたから。

手を変え品を変え、ちゃんと伝えていきましょう。

「アイ・ニージュー」ってね。


ではでは、くれぐれも、お大事に。
こんな長い文章でも最後まで読んでくれるあなたが、
ぼくには本当に、必要です。いつも有難う。