楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「一番すごい氣」を初日で注入された悲劇と、財産

「一番すごい氣」を初日で注入された悲劇と、財産


※今回のお話は、前回の
『「大阪のオバちゃん霊能者」との出会い』の続きです。
 ▼前回の記事:




ごく簡単に振り返ると……

「遠くにいても人の痛みが視える」

というマジでぶっ飛んだ霊能者と知り合って、
そのヒーリングを「つまみ法」(?)で手伝うという
異常な体験を経ましてね。

「本物の氣功ってこんなに面白いのか……」と
ぼくが感動していていた頃、
後の師匠である「ユキさん」(仮)から、告げられます。

「ボン、お前には見込みがあるから、
 氣功を使えるようにしたるわ」


うれしいはずのセリフなんだけど、
あのときのユキさんの笑い方、
魔女みたいだったな……(笑)


■「ひとまず、一発で伝授できる中の
  一番ええやつ、入れたるわ」

 


▼そう言って師匠は、両手をスリスリをこすりあわせる。
▼何を言ってるかわからない呪文みたいなのを、唱える。
 (後で分かったけど、コトダマ的なやつね)
▼「目ぇ閉じや」と言われ、背後に立たれる。
▼ソヨソヨ・ソヨソヨと首のまわりに風が来る……何これ?
▼グイグイッと体が傾くぐらいの圧が背骨にかかる
▼しかも、どこも触れられてはない……マジ何これ?(笑)
▼「やっぱり反応ええな」とボソッと言ってるけど、何がだろう……
▼両肩に手を乗せられる。ジワジワ~~っと温タオルみたいに熱い。
▼体の中心には力が漲って、手足はダランとゆるむ
▼目を閉じてるときに見える黒が、えらく濃くなってる

……という感じ。

とにかく不思議。

不快さは一切ないけど、
何が起きているかわからない。

自分の体でマジック・ショーでもされてるみたい。



「パシンッ……!」


という手拍子で、我にかえった。


「伝授は、終わったよ」


……終わったらしい。


■「とりあえず、1,000円だけ持って、
  あとは一切何も持たずに、2時間ブラついてきぃ。
  その間、絶対戻ってくんなや」

という指令がくだり、
携帯電話もサイフも置いて、町に出る。

お金も携帯もなく2時間って、
何をしたらいいのか。

頭はボーッとして熱く、少しフラつくけど、
そういう自分を少し後ろから冷静に見ているような感覚。
40度近い高熱を出したときとちょっと似た状態。

師匠がいうには「そんなもん」らしい。


「風にあたれば全部吸収できるから、
メシ食う以外は、できるだけ外におるように」

「まだ入ったことがない店で、ご飯を食べや。
 店も歩く方向も、ぜんぶ直感で決め」


……なるほど。

じゃあ、本屋でひまつぶし、とかもダメなのね。
もしルール違反をしたら、変な能力で
バレそうな怖さもある(笑)
まあ、せっかくのスキルアップがイマイチだったら、
もったいないしな。


普段は寄りもしない公園に寄ったり、
街路樹や団地のベランダの花壇をながめたり、
テニスコートにいる人がほとんどお年寄りだと気づいたり……

いろいろ普段見ることがなかったものを
ひとつひとつ味わっていく。

そんな中でもぼくは、
その日食べた「つけ麺」の味が、
変に記憶に残っている。

といっても、決して美味しくはない。
(実際そのあと、2度といかなかった(笑))

でも、ほとんどしょうゆの味しかしないそぼろ肉とか、
黄色みが強くて太すぎる四角型の太麺とか、
ジャマでしかないカレー風味のスパイスとか、
全体の食感がネットリするほどの量のチーユ(鳥油)の
少し濁った透明の色とかが、
目のすぐ内側に録画されたみたいに、鮮明に残っている。


ラーメン屋さんを出たあとの風が心地よくて、
口に残った後味が洗われる思いがする。

感覚が出入りする窓みたいなもんが、
フルオープンになってるのか。


「……うん、もう大丈夫や」


帰ってきたぼくを見た師匠はそう言って、
ニヤリとした。
やっぱり、魔女みたいだった。



こうしてぼくは、
「レイキ」が使えるようになった。



■手を当てさえすれば、痛みが消えていく。

それは何度やっても不思議で、
とにかく自分の体のいろんな場所を「手当て」しまくった。

たびたび「指令」を受けて、
社長の肩などを「つまんで」いた役割も、
形が変わった。

「ボン、お前が自分で感じるように、やってみぃ」と。

最初は自信なんてなかったけど、
やっていくうちに、ちょっとずつ手ざわりが違ってくる。

人の体って、こんなに簡単に変わるのか……

肩こりも腰痛も、ほぐれる、という感じじゃない。
「溶ける」に近い。

7才からあんなに腰痛に悩んできたのに、
あれと似た痛みが少しだけあった背中は、
手を当てて1分テレビを見ていたら、すっかり消えていた。

何これ?(笑)


痛いところは、そこに手を当てたらいい。
ただ、痛みではない症状については、
どうしたらいいかわからなかった。
(下痢とかね)

師匠にそのことを質問をすると、
答えはものすごく、シンプル。


「自分の手に聴け」


とのこと。

何それ、マジかよ(笑)


でもたしかに、
手で体中を触ると「ここかも」と思えるところが、
なんとなくだけど、ある。
ガムシャラに4~5か所手当てしていたら、
「この世の終わり色」みたいなウ○コが出て(失礼!)
下痢はすっかり治ってしまった。


ああ、なるほど、
仙骨への手当ては、お通じ系に良いのか。

そうやって、
自分の手から、ひとつひとつ、教わる。

やれることがどんどん増えていく。

これは……面白い。


ただし……


■「頭が2倍に膨張してる」ような
 重たい、ドクドクする頭痛が、消えない。

師匠に「伝授」をしてもらって、3日後ぐらいから。

頭がキンキンに冴えていて、
本を読んでいてもパソコンを見ていても、
「文字が入って来ない」……の、真逆。

「文字が入って来過ぎる」

頭の中がずっと忙しい。
いろいろ入ってくるし、際限なく思いつく。

脳が暴走している分、仕事量はすごい。
正直、はかどりまくる(笑)
でも、気をつけないとすごい早口になる。
人のしゃべりが遅くて、それを待つのがはがゆい。

何より困るのは、
頭が冴えて、深夜2時になっても、
全く眠くならないこと。
あたいの眠気……どこいっちゃったの?

しかも神経が過敏で、ちょっとしたことに気が付き過ぎて、
ピリピリ、イライラしてしまう。


「覚醒する」って多分、こういうことなのかな。

オフにするスイッチがないと、
ロクでもないです、覚醒なんて(笑)

まあ、中途半端だったのと、
急過ぎたのとで、体も脳も混乱してたんでしょうかね。

正直これには、
ものすごく困りました。


師匠に聞いても、

「慣れるまではしゃあないかもな。
 水飲んで、外歩け」

みたいな答えのみ(笑)


決して冷たい人ではないんだけど、
「自分で感じて、学べ」
というスタンスが、徹底してる。

それに師匠は生まれつきの「霊能者」だったから、
邪気の予防とか処理とか、細かなことは不要だった。
「教えるもんじゃない」と思っていたみたいだし、
自分も教わったわけじゃないから、
教えるのは得意じゃなかったらしい。

だからぼくは、
自分で学ぶしかなかった。


■レイキの本、中国氣功の本、浄化関係の本、
密教の本……すべて「頭痛と不眠を治したい」から、学んだ。

ちょうど(?)眠れないから、時間もある。

文字がものすごく入ってくるし真剣そのものだから、
このときの学習スピードたるや、
「乾いたスポンジが水を吸うようにしながらも、
 発熱によって水分が蒸発してまた乾くから吸いまくる」みたいな感じ。

これについては、
今も師匠に感謝しています。

「教科書的に教わっただけ」だったら、
今みたいにきっちり、理解できてなかったと思うからです。


調べてわかったことですが、
ぼくの頭痛と不眠は、
「氣の中毒」と呼ばれる症状でした。


氣を降ろして落ち着ける方法(グラウンディングといいます)を
きちんと知らずに氣功をしていたから、
すごく簡単にいうなら、
「スーパーのぼせてた」んですね。

あとは、
色んなものや不調にシンクロし過ぎていて、
いわゆる「邪気を受けていた」状態。


だから、
頭に血と氣がのぼったままで、巡りがわるく、
氣の詰まりや汚れをお掃除することもできないから、
「気が張るいっぽう」だったんですね。

それで、イライラ・ピリピリして、
頭痛もひどいし、眠れなかった。


苦しかったのは、3ヶ月間ぐらいだったと思う。

ようやく頭で学んだ氣のコントロールが
体でわかるようになった頃……

頭をくるぐる巻きにしていた頭痛が一枚ずつはがれていき、
30分もあれば寝つけるようになり、
神経のテンパりも、落ち着いていった。

やがてその「坂」を降りると、
もとの自分よりよほどリラックスして、
ハラの底が落ち着いたような感覚が身についていた。


■ぼくの「氣功」の始まりは、そんな感じだった。

このとき学んだことは今、すべて活きている。

「エネルギー医療の威力や魅力」はものすごい。
でも、そのリスクと対処策は、
必ずセットで知っておくべきです。

だから、ぼくが後につくった「楽ゆる式レイキ」の講座は、
威力を上げることは当たり前のこととして、
氣を安全に使うための具体策が、
異様に充実したものになりました(笑)

まあレイキ自体、もともと、
普通の氣功よりはずっと安全性が高いんですけどね。
あと、霊能者にいきなり「マックス」まで
氣を注入されることも、普通ないしねw
(段階を踏むのが普通です。うちでもそうしています)

でも、
そんな極端な始まりのおかげで身についたことは、
財産にもひとしい経験になりました。


ぼくにはきっと、
あの一風も二風も変わったスパルタ式の師匠が、
合っていたのだと思います。


その後、
整体のワザをいくつも学んでいくことになりますが、
「手に聴く」という感覚が、
のちに、大きくぼくを助けることになります。
(3年ぐらい後に、やっと気づくんですけどね(笑))


■残念なことに、
師匠はあるとき心を深めに傷めてしまったらしく、
連絡が途絶えてしまいました。

どの知り合いから当たっても、電話もメールもつながらない。

いつか、元気になってひょっこり連絡してくれたら、
と思うんですけどね。

ずっと「この国は生きにくい」と言っていたから、
日本にはもういないような氣もします。

本を出版したり、YouTubeをアップしたりしながら、
もしかしたら見つけてくれるかも……と、
小さく願っています。

「あのボンは、元氣にやっとんな」

とだけでも
思ってくれてたらいいなぁ、と。


■ただ、師匠がぼくにくれたレイキの種は
確実に育てていきます。

スパルタでしたけど、その分、良い種でした。

車にたとえるなら、
師匠からもらったレイキは、
「アクセルが超優秀なスピード・カー」でした。

これに安全性を含む補強をすれば、
「アクセルもブレーキもハンドルも高品質なスーパーカー」
みたいなね、理想的なレイキになります。

そう、レイキの面白い特長は、
「伝授」というプロセスを経ることで、
【継承】されていくんです。

継承されるたびに、
どんどんどんどん、深みとうまみを増していく。
老舗のうなぎ屋さんのタレみたいにね(笑)
そして、育っていく。

今回、リクエストをたくさんもらって
レイキの「オンライン講座」を始めました。
だから、師匠からつながるこの素敵な伝承のサイクルに
参加してもらえるのは、
ぼくとしても、とてもうれしいです。

ちなみに氣の世界のものって、
「シェアされればされるほど、よりパワーを持つ」
ものですからね。

そんなわけで、
興味がわいた人はぜひ、くわしい案内を見てみてね。
健康に使えるのはもちろんだけど、
生活のいろんなことが、今より面白くなるよ。
(ぼくみたいに危ないことには、決してならないからね(笑))


では、最後に。

師匠がぼくにくれたものの中で、
折にふれて反芻している言葉を置きみやげにして、
この回顧録を閉じようと思います。


「お前が見て聞いて触れるすべてのものが、
 お前の氣功になるぞ。
 良いも悪いも、目を見開いて耳をすませて氣付け」


ではでは、くれぐれも、お大事に。
氣功の世界でもう10年以上になるのに、
あの人以上の能力者には出会えないなぁ。