楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

遺伝子でわかる「お父さん、クサい!」問題の真相



世のお父さんたちが、
想像しただけでもヒザがガックガクに震える……

「お父さん、クサい!」
(by 娘)

――という、この悲劇。


実は、
これにはちゃんと、
「お父さんが実際にクサい」以外の
理由があったんです。

 


つまり、
お父さんが実際に臭いかどうかとは別に、
メインの原因がある、ということ。

なので、たとえば、
「お母さんが嗅いでも、別にクサくない」とか、
「娘と同級生の女の子が嗅いでも、別に臭くない」
といったことも、大いにあるらしいのです。

面白いよね。


でもこれって……
なぜなんでしょうか?


先日、
NHKの「嗅覚」を特集した番組で、
興味深い実験をやってたんです。

ごく簡単にいうと、

● 4人の男性(みんな清潔)が、運動して汗だくになる
● その汗が染みたTシャツをハンガーにぶら下げて並べる
 (男性は控え室に退場)
● 10人の女性が、4種類のTシャツの匂いを嗅ぐ
 (男性の顔とかは見られないので、先入観は持ちようがない)
● それぞれ、匂いの好き・嫌いのアンケートに答えてもらう

という内容でした。


結果、
人気1位の男性が決まった!……のですが、
票は4票だけ。
残りは、2票、3票、1票と、
かなり〝バラけた結果〟になったんです。

美白でイケメンの「わかりやすい王子」みたいな人も
いたんですけど、ダントツになったりは、しなかった。

ある人が「すごくイイ」と感じた匂いを、
別の人は「すごく臭い」と感じたりする。
別の匂いでは、それが逆になる。

要するに、
好みがハッキリ分かれたわけです。


ただ、
この実験は素晴らしくて、ここで止まらなかったんです。

「好みの問題の裏に、何があるのけ?」

ってところまで調べていった。


そしたら答えは、
なんと、
「遺伝子」だったんです。

一見バラバラにおもえた実験結果でしたが、
ほんとうは、


「自分とは違う遺伝子パターンを持つ男性の匂い」
に惹かれていた。


――という共通項が、見えてきたんです。


逆に、
「自分と似た遺伝子パターンを持つ男性の匂い」
には、嫌悪感があった、と。


これ……面白くないですか?


つまり、
「いきものとして優秀な遺伝子を残すべし」という本能が、
ぼくらには、ある。

そのためには、
「遺伝子の多様性」があったほうが有利だから、
自分と似た相手には、惹かれない。
自分と違う相手にこそ、惹かれる。

そんなふうに、
〝本能レベルでプログラムされていた〟んです。

そのプログラムが託された重要なセンサーが、
「鼻」だった、と。

そういえば、
直感が働くことを
「あいつは嗅覚が鋭い」とか「鼻が利くやつだ」
って言ったりするぐらいですもんね。


ってことは、何が言えるか?


2つ、あると思うんです。


まず1つ目、
絶対に強調したいこととして……

「お父さん、クサい!」となっちゃうのは、
動物として正常なんですね。

しかも、
こういうことに子どもが敏感になる時期って
反抗期とも重なったりするので、
言い方も表情もきつかったりするんですけどね……

娘さんがお父さんを嫌いだという意味ではないし、
実は、お父さんも悪くなかったりするんですな。


ただ、
中にはもちろん「そうならない娘さん」もいて、
そういう子は年上との付き合いが
とても上手な傾向があるそうです。
(これは別の心理学で出て来た話だけどね)


最後に、もう1つ。

ぼくらは、本能レベルで、
「自分とは違う人につい惹かれる」ということ。

これはもう……深いよね。

神様ぐらいの高い視点から見れば、
「それがベストだから」なんでしょう。

だけど、
「違うから惹かれる」という気持ちはいつしか、
「違いが許せない」という怒りに埋もれたりする。
近づけば近づくほど。


……ただ、
本当はそれが良かったはずなんですよね。
腹が立つのも自然なことなんだけど、
それで「本来あった多様性のメリット」が
消えるわけでは、ない。

問題の本質は、
「お互いこんなに違うのに、くっついちゃったこと」
ではなく、
「お互い違うからくっついたのに、距離感を間違えちゃうこと」
なんだと思うんです。

仲が良くなったんだから、
「もっとわかってほしい」って思い過ぎたり、
すごく近い存在なだけに、
理解できない部分が見えると怖くて嫌だったり……


それはよくあること、ではあるけれど、
近くありたい気持ちが強過ぎて多様性を許せなくなってる状態、
なんでしょうね。

そのせいで、
本当は面白がれたり、
チームとしての幅広さになりうるギャップを、
嫌悪しちゃったりする。

それはきっと、非常にもったいないことですよね。

それこそ、
「使いようによってはイイ匂いなものを、
 臭がってフタしてる」……かのようだよね。



だって、
「大事な人だから許せない」と、
「大事な人だから許せる」は、
ホントはすごく紙一重のところにあるでしょう?

でも、
お互いの違い=多様性をキープすることが、
自分にとっても、
パートナーシップにとっても、
ファミリーにとっても魅力的でメリットがあって、
かつ「本能に適う」んだってわかってたら……

いざとなったときに、
「大事な人だから許せる」のほうに、
舵を切れるときが、来るかも知れないよね。


だからぼくは、
キーワードとして、
自分のなかに刻んでおこうと思ったんです。


「違って、もともと」


この言葉は、いろんな場面で、
自分にふさわしい選択を助けてくれるんじゃないなぁ。


というわけで今回は、
「嗅覚」にまつわる、深イイ話でした。

世のお父さんの震えや悲しみが、
少しでも軽くなればと願いつつ、書きました。


ではでは、今日もお大事に。
手の内が読めるほどの「似たもの同士」って、
ケンカが絶えなかったりもするから……
「氣が合う」と「似てる」は、少し別ものなんだろうね。