楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

なぜ、ぼくら人間は「体毛」を手放したのか?



ぼくらはサルたちと違って、
どうして「体毛」が薄いのか。

―― 考えたこと、あります?


ぼくは先日、答えを知りまして……
それがね、すごく面白かったんです。

 


そもそも、毛って、
大事なところに生えますよね。
ケガすると「出血がひどい」ようなところ。
たとえば、
頭だったり、ワキだったり、局部だったり。

……あ、
ちなみにこれ、
「整体あるある」なんですけど、
腰がすごく悪い人は、腰に毛が生えてきたりします。
ちょっとビックリするよね(笑)


つまり毛は、
「体を守るためのもの」なわけです。

実際、スキンヘッドの人は、
頭をケガしやすいという報告もあります。


としたら、
サルたちと比べて体毛が薄いぼくらは、
「防御力」が退化している?

――うん、そう、
そこだけを見ると、そうなんです。


ただ、防御力については、
「服」を着ることによって、補ったわけです。



じゃあ、
そんな大事な「体毛」を手放してまで、
ぼくらの祖先は、何を手に入れたのか。


それは、


『持久力』


なんです。


ここがポイントでね……


どうして、
体毛と持久力が関係するのか。


たとえば、
体毛が濃い動物は、すぐ熱が体にこもってしまって、
長く走り続けることができないんです。

なぜってね、
そもそも毛皮って、温かいでしょう?
だから、走ると汗をかきやすいわけです。

しかも、汗をかいたらかいたで、
体毛が水分を吸ってキープしてしまうから、
蒸発が遅れる。
すると、ますます熱がこもる。
ちょっとしたダッシュでも、すぐ燃焼しきってしまう。

そのせいで、有名な例ですけど、
チーターは短距離しか走れないわけです。
(最高速度は120kmだけど、
 一度に走れるのはたった60秒ほど)



その点、ぼくらは真逆だよね。


そりゃあもう、
チーターからぼくらを見たら、

「お前ら、なんでそないに裸やねん!」

ですわ。


でも、それこそが、
ぼくらの狩人としての〝強み〟だったんです。


体毛が無いから、
どんどん汗をかいて蒸発させて、熱を外に出せる。
おかげで、
めっちゃ長距離でも走り続けられる。

獲物より「速く」はないけれど、
「長く」走れる。

追って追って追い詰めて、
ぼくらより先にバテた動物を、捕まえる。

そうやって生き残ってきた遺伝子が、
ぼくであり、あなたなんです。



この事実、面白くないですか?


つまりぼくら人間って、
「長期戦」をするデザインになってるんです。
「短期決戦タイプ」では、決してない。


だから、
急いで何かを変えるとか、
すぐ結果を求めるとか、
一発で大きな成果を出すとか……

「そういうタイプ」じゃあ無いんです。
そもそも、種族的に。


だから、慌てなくていい。

これはたぶん、
人類の99%に有効なアドバイスなんです。


大事なのは、
あくまでも自分のペースを見つけて、それを守ること。
そんなに速くなくていいから、
獲物が足を止めるまで、走り続けることなんだ。


――そんな風に、
ぼくらをつくったデザイナーに、
言われてる感じがしてきませんか?



ぼくはよく思うんです。


仕事でも趣味でもね、
「5年でも10年でも平気で続けられるマイ・ペース」を、
知っておきたい。
それを基準にしたい。

無理をする時期がいっとき、あってもいい。
でも、その時期を過ごしたら、
自分の基準に戻そうとしてほしい。

もしどうしても戻せないなら、
それは「あなたの道」ではないかも知れない。
厳しいことを言うようだけれど、
そこを無理し通して何かが壊れてしまう人生よりは、
やさしい選択ができるはず。

「そこを無理しちゃった人たち」を、
たくさん見てきたから、ね。



ぼくらは長距離ランナーです。
陳腐なたとえだけど、間違いはない。


「今だからできること」と、
「老後になっても続けられること」の配合を、
たまにちょっとだけ、真剣に考えたい。


ちなみに、
ぼくが独立してすぐの頃に決めたのは、
「70歳になっても無理なくやれる施術をしていく」
ということでした。


そして、
そう考えて来て本当に良かったって、
思ってるんです。


ぼくらの体毛が薄いのは、
「持続可能な走り方で生きなさい」
って、メッセージなのかもね。


ではでは、今日もお大事に。
「体が教えてくれること」って、やっぱり面白い。