楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「箱があれば貯まる」の法則


「貯まる習慣をつくるのは
 意思でも性格でも能力でもなく……〝箱〟である」

今日ぼくが言語化してみたいのは、
そんなことです。

……というのも、驚いたことがありまして、
その話からいきますね。

 


まず、ぼくは慢性鼻炎なんです。
昔よりマシになったけど、それでもけっこう鼻をかむ。
お出かけ中にポケットティッシュが切れると不安になるほど(笑)

ただ、今回の引っ越しのあいだ、
異常なほどに鼻をかまなかったんです……

これ、意味わかります?


引っ越し前のマンションの片づけのときも、
自分の近くにはティッシュもゴミ箱も、ないんです。
いわばもう「戦場」ですわな。

で、ダンボールに囲まれる感じで夜を越し、
引っ越し当日があって、新しい家に到着。

……でも当然、そこも戦場だよね(笑)
やっぱり、自分の近くにはティッシュもゴミ箱も
なかった。

もちろんね、ちょっと歩けばあるんですよ?

でも、いつ終わるとも知れない泥沼のような
その作業や集中を、下手に中断したくない。
そういう心理だったわけね。

……で、もう1つ大きいのは、
「いつものところには無い」こと。


そのせいだと思うんです。

引っ越ししてから2日ぐらいたったとき、

「あれ? そういえばリビングの、
 ティッシュとゴミ箱の定位置を決めてなかったね」

って話をして、
そこでぼく、めっちゃ驚いたんです。


「あたい、この3日ぐらい、ほとんど鼻水、出てない!」

ってね。


……これ、面白くないですか?


いったい何が起きたのか。


要はぼくにとって、
鼻をかむことが「意識不要の日常動作」ではなくなったんですね。
「意識が必要な臨時動作」に変わっちゃった。

すると、
まるで「需要と供給のバランス」でもとるかのように、
鼻水のほうが出なくなった……。


そういうことだと思うんです。



つまり、
「箱があれば埋めたくなる」という
無意識が、ぼくらにはある。

たとえば貯金をするときに、
貯金箱や貯金用の口座がもしなかったら、
けっこうやりにくいよね?

タンスの引き出しって、
意外と空っぽなままのことって、ないよね?
(もう着なくなった服なんかも含めて、
 けっこう埋まりがち)

一回散らかり始めた場所って、
どんどん散らかりがひどくなるよね。
(不法投棄のゴミも、1つ置かれると
 どんどん集まるようになっちゃう)



きっと「場ができる」ってことなんでしょう。
良くも悪くも、ね。


「箱があれば貯まるの法則」とぼくが呼んだのは、
このことです。


じゃあこの法則に、どんな使い方があるか?


貯めたい(増やしたい)ものがあるのなら、
「箱を先に用意する」ことです。


といっても
「箱」というのは物理的なものに限らなくて、
たとえば……

●健康習慣をつくりたいなら、時間割を確保する
 (寝る前5分と決めるなど)

●お金を貯めたいなら貯金箱(口座)を用意する

●ネタを集めたいならネタ帳(ノート)を用意する

●お客さんに集まって欲しいなら、
 たくさん集まっても大丈夫な場や体制やシステムをつくる

●新しい趣味を始めたいなら「どこ」で
 その趣味をやるかを決め、そこに道具などを揃える

みたいなことです。


逆に減らしたいものがある場合は、
箱のほうを捨てるか埋めるかしたらいい。

●間食をやめたいなら、お菓子をいつも
 買って置いておく場所をなくす(他の何かで埋める)

●お腹が空く前に炭酸水を飲んで、スキマをつくらない

●不安や考え過ぎが辛いなら、
 自分で自分を忙しくしてしまう
 (脳や時間のスキマを埋めるために)



とかね。


これらはあくまでもサンプルだけど、
書き並べてたら、よくわかった。

すべてに共通するのは、
「ハードルの設定」ってことなんだね。


「増やしたい」ことについては、
その作業にとりかかるためのハードルを下げておけばいい。

「減らしたい」ことについては、
その作業にとりかかるためのハードルを上げておけばいい。

どちらも〝事前に〟ね。


それこそ……

目の前にある美味そうなドーナツを食べるのを
我慢するのは、大変。

でも、
目の前にはなくてイスがないと手が届かない戸棚の
奥のほうのドッグフードの後ろのスキマにある
ドーナツを食べるのを我慢するのは……少し楽だよね。

さらに、
自宅にはドーナツがなくて歩いて7分の距離にある
コンビニに行けば買えるはずのドーナツを我慢するのは、
もっともっと平気なはず。

そういえば、
こういう心理学の実験、あったなぁ。


そんなわけでね、ぼくが今回、
「ゴミ箱が近くにないと鼻水が減った体験」
でわかったことは、
「自分でハードルを設定する」ことの有効性が、1つ。

そしてもう1つ、さらに面白いのは、
それが習慣的なことであればあるほど、
「体調にまで影響しうる」ということ。

そう考えてみれば、
「風邪をひいてる場合じゃないとき」って、
ふだんより風邪をひきにくいよね。

それもきっと〝箱がないから〟っていう
説明のしかたで、いけちゃうと思うんですよね。


そんなわけで今、
「よほどじゃない限り鼻水をかまんといてみる」
という実験をしています(笑)


さて。

あなたが減らしたいものについて、
「それが貯まりやすい箱」が用意されてしまってない?

増やしたいものについて、
「それが貯まりやすい箱」は、ちゃんと用意されてる?


考えてみるといいかもね。


ではでは、今日もお大事に。
「ポジティブ日記」という心理ワークがあるけど、
あれも「ポジティブが貯まる箱づくり」なんだろうね。