「船に使われる木材には、曲がったものが多い」らしい。
この前、専門家が言ってました。
その理由は、折れないため。
曲がり(しなり)があるからこそ、衝撃に耐えられる。
曲がりは〝クッション〟だから。
これはもう、人体も同じだね。
何よりまず、ぼくらの背骨はカーブしてる。
あれがもし真っ直ぐにピン!としてたら、
簡単に折れてしまう。
だから「S字カーブ」といって、
クッション性を持たせるために、
ほどよく曲がるよう〝設計〟されている。
そう、実は、少し猫背で健康……なんだよね。
(知らない人が多いけれど)
でね、そう考えたら……
性格だって「カーブ」があって自然だよね。
だって「簡単に折れたら超困る」わけだから。
クセがある。
ヌケもある。
偏ってもいる。
変なものが好き。
意外なものが嫌い。
でも多分、それのおかげで、
守ってこられたものが、ある。
実際に、深く知れば知るほど、
誰にだって「変なところ」は、あるもんね(笑)
個性なんてきっと、
もともとは良し悪しなんてない、変なところ。
その使い方や補い方で輝きもすれば淀みもする、
というだけでしょう?
だったら、
「背骨のカーブ」と同じように、
「性格のカーブ」だって、大事にしたほうがいい。
真っ直ぐにしようだなんて、思っちゃあいけない。
それはきっと、危機がせまったときに身を守る「クッション」を
潰してしまうようなことだ。
それどころか、
無理に性格を矯正しようとしたら、
危機でもない平常時まで、
自分の個性を殺してしまうことになるしね。
たしかに「うつ」になっている人たちを見ていると、
真っ直ぐにマジメです。
いや、もっと正確に言うなら、
「本来の性格のカーブを許せないほど真っ直ぐであろうとした人たち」
なんだと思う。
あんまり真っ直ぐを求めちゃうと……
自分のカーブを許せないだけでも辛いのに、
他人のカーブにも腹が立ったり傷ついたりするもんね。
それがひどくなれば、
社会のカーブだって許せなくて、
どこにいても居心地が悪くなってしまう。
野球のピッチャーだって「ストレート」だけでは、不利だよね。
打たれてしまいやすい。
「カーブ」も投げられたら、ずいぶん強く、自由になれる。
だから、カーブの価値をやっぱり、胸に刻んでおきたい。
……とはいえ、もちろん、
「カーブ」ばかりなっても、いけない。
それは、背骨でも性格でも野球でも、同じこと。
「ストレート」と「カーブ」をほどよく混ぜてこそ、
強くいられる。
そしてきっと、それだから楽しいんだよね。
「どっちにも行ける」から、いい。
自分のストレートを否定しない。知る。認める。
自分のカーブも否定しない。知る。認める。
それで、素直に、どっちもちゃんと「使える」ようにする。
そんなふうでいられるために、
心理学というものがあるんだと思うんです。
ではでは、今日もお大事に。
「健康ラボ」で心理学に力を入れている理由も、
こんなところから……なんです。