小学校に入ったばかりの頃、
ぼくはシャンプーを流してもらう間、
ずっと息を止めてた。
なぜなら、
そうしないと「溺れて死ぬ」と思ってたから。
でも、あるとき……
父がぼくの頭に洗面器でお湯をかけようとしたとき、
タイミングがずれて、ぼくは焦った。
まだ息を溜められてない。
このままだと、
溺れて死ぬことはないけど、
息ができなくて死ぬ!
「ちょっと待ってお父さん、
まだ息が足りてないから!」
早口でそう言ったら、
少し考えるような間があって……
父さんは、笑った。
「はっはっは、そうか……
口を下に向けて息をしとったらいいんやぞ」
……
……ええっ?
マジで?
そんな裏ワザがあるんけ?
こちとら、ず~~~~っと耐えて来たのに?
すごい損した……
「苦しい」とか
「どうしたらいいの?」とか
「父さんはどうしてるの?」とか、
言ってみたら、よかった。
自分で自分に禁止をして、
自分ひとりで悩んで、
しなくていい損を、ずっとしてた。
そんなことをね、今もよく覚えてるんです。
アホだったなーとも思うけど、
ただ、誰かに教わることでもないよね。
同じ勘違いをしてた子……ぼく以外にも、いません?(笑)
でもね、
シャンプーの話はただのサンプルでしかなくて、
似たことって、実はたくさんあると思うんです。
「もらえるはずの許可」を、もらってない。
そのまま苦労を重ねてきてしまった。
そのまま大人になってしまった。
たとえば、
「多少の迷惑は人にかけてもいい。お返しすればいい」
「面白い話なんかしなくていい」
「相手の顔色なんて、どうしても必要なとき以外、見なくていい」
「自分の気持ちは、上手じゃなくても、言っていい」
「健康法なんて、まじめにやらなくてもいい」
「あなたに無理なくできることしか、しなくていい」
「不調のときや、元気がないときがあったっていい」
「わからないことは人に聞いてもいい」
「人並みにできないことがあってもいい」
「一般と違う意見を持っていてもいい」
「気分が乗らないという理由だけで、断ってもいい」
「言いたくないことは、言いたくないって言ってもいい」
「栄養満点の食事なんて、目指さなくていい」
「どれにしたって、まず60点でいい」
「楽しいから、という理由だけでやりたいことをやっていい」
「辛いから、という理由だけで、離れていい」
「なんか意味や効果を感じなくなったら、いったんやめていい」
そういう許可を、
もらうべきときに、もらえてないことって、ありませんか?
勝手に言ったらダメなんだろうけど、
どこでもらったらいいかぼくだってわからないから、
勝手にぼくが言います。
それ、いいんですよ。
誰かが困るわけじゃないのに、我慢してることない?
誰かが困るかも知れないけどそれ以上にあなたが困っていて
っていうか先に困らせられたのはあなたなのに我慢してること、ない?
あなたが困ってるわけでもないのに、
放っておけない気がしてるだけのこと、ない?
それ……いいんですよ。
↑に書いたこと以外にも、
すごいいっぱいあるからね。
他の人は許可なんかもらわずやってるのに、
よく考えたらそれもわかるのに、
自分には許可を出してないこと。
それにたった1つ気づいて「OK」にするだけでも、
息は、しやすくなるよ。
窒息しかけてた自分のなかの子どもが、
ちょっと助かるよ。
不思議なようで、すごくよくある、自分しばりのお話。
ではでは、今日もお大事に。
呪縛みたいなものって、どこでもらうかわからない分、
素直に見直せば、どこで解けるかもわからないよ。