楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

要注意!原因を考え過ぎると【呪い】になるよ【保存版】


まず、最初に……
怖い出だしで、まっこと申し訳ない(笑)

ただね、
「治りにくい人のパターン」にまた気がついたんです。

それは、超簡単にいうと
『無意識のセルフ呪い』です。

これ、すごい大事。

なぜって、
治りにくい人ほど、やっちゃうからです。
本人はびた一文、気づいてないけどね。

でも、このパターンからはずれたら、一気に変わる

それまで数十年とか悩んでた症状が、
これきっかけで、急に回復し始めることもある。

ちゃんと希望のある話だから、安心してね。

 


■『セルフ呪い』って、何?

『セルフ呪い』

なんたる、文字面!(笑)


イメージしやすいように、
具体例を言いましょう。

たとえば……

●腰が痛いのは「側湾のせい」だと考える女性
●心臓が弱いのは「親ゆずり(遺伝)」だと嘆く男性
●手がしびれるのは「脳梗塞がもと」だと主張する女性

が、いました。

でね、
それぞれの考えはもちろん自由なんだけど、
原因を1つに決めつけてしまっているのが、共通点です。
それがいつしか「信じる」というレベルになると、
他の可能性に目がいかなくなる。

「自分は側湾だ」
「自分は遺伝のせいで心臓が弱い」
「自分は脳梗塞の後遺症が治り切らない」

という思いが募りに募って
「思念」のようになる。

これが『呪い』のはじまりです。


■なぜ「呪い」なんて怖い呼び方をするか?

それは、
本人の行動や思考を「縛ってしまう」からです。

それこそ……

「側湾が悪い!」と決めてる人は、視野が狭くなります。
側湾とは関係ない腰痛なんて世の中にいくらでもあるのに、
その可能性はまったく見えなくなって、側湾のケアばかりやる。
医者や整体師にも「側湾を治してくれ」と『注文』をする。
そして、
「側湾に関連しないアドバイス」を軽く見たり
聞き流したりすることも珍しくありません。
(→ 診断やセラピーがやりにくいので、改善効果が落ちます)

何より、
「側湾だ側湾だ」といって背骨を
常に意識しすぎるということは
背中にいつも「緊張が生まれる」ということ。

だからますます悪くなる。

ちなみに、実際には、
彼女の腰痛の原因は「大腸の疲れ」でした。
その影響をうけたふとももの固さが、腰を引っ張っていたことが
ポイントだったんです。
そこを整えたら、腰痛は消えました。
(側湾はまだ残っているけどね)

側湾だと念じ続けているうちは、回復がめっちゃ遅かったわけです。


■遺伝や後遺症は、あるにはあるけれど……

↑の側湾のケースと同じように、
「心臓が弱いのは親ゆずり(遺伝)」だと嘆く男性は、
「遺伝だからどうしようもない」と自分を何年間も縛っていました。

改善法はたくさんあるのに
「遺伝に有効じゃない」という理由だけで
却下してた。
試してもいなかった。

体を動かすのも自然を巡る旅行もホントは好きなのに、
「心臓に負担かも知れない」と少しでも感じると、
やめてしまう。

でも、彼が悩み続けた不整脈や胸の苦しさは、
うちの整体で消え去りました。

もちろんぼくは
「タイムマシーンに乗って彼の親や家系を入れ替えた」
わけではありません(笑)

みぞおちをゆるめたら治ってしまった。
みぞおちが張る
→ 心臓を包む膜(心膜)が下がる
→ 心臓が動きにくくなる……という仕組みだったんです。


あとは、最後の例として……

「手がしびれるのは脳梗塞がもと」だと主張していた女性は、
脳専門のお医者さんやリハビリばかりを転々としていました。

でも結局、脳うんぬんではなく「首の骨のズレ」を整えたら、
しびれは消えていきました。


■症状の改善の前に「呪い」の解除が必須だった

ここではサラサラと
結果だけをお伝えしましたが、
「そうなるまで」は、けっこう大変でした。

なぜって、
本当の原因や改善方法を説明しても
「聞こうとしない」
「やっと聞いても、受け入れない」
「受け入れ始めてからも、なかなか信じない」
というステップを踏んでいくから、です(笑)

↑の例で紹介した脳梗塞の経験者である彼女も
「いや首じゃなくて、頭をやってください」
「もっと手をやってください」
みたいな感じで、頑なでした。

これは、いわば、
「自分が欲しいアドバイスだけもらいたい」
というような状態です。
すごく悪い言い方ですが、わかりやすく言うなら、
『「そのままの君でいいんだよ」待ち』
みたいな状態で、
それ以外の本当に必要な話はほとんど聞けない。

そういう状態だと、
施術の効果も受け付けにくいわけです。

実際に、
悩みが深いときに「欲しくなるもの」って、
大抵ホンモノじゃないし、体に悪いでしょう?(笑)
(甘いものとか強い酒とかね)



■犯人のかげに「真犯人」がいる

なぜ
「聞き入れ」や
「受け入れ」や
「信じる」ことを
ぼくが重視するかというと、
それらをクリアしていかないと「余計な緊張が抜けない」から。
そして、
「自分の患部を責め続ける邪気」が無限に溜まるから、です。


重要な心の法則があってね。
ぼくらはとにかく
「犯人をはっきりさせたい」んです。

殺人事件とかでもそうですよね。

ニュースで
「犯人がまだわかりません(逃げている)」と言われてるうちは、
ぜんぜん安心ができない。

ところが、
「犯人は○○市に住む○○という男だと判明しました」
という時点で、なぜかちょっと安心する。
(まだ捕まってなくても)

そしてもちろん
「犯人が逮捕されました!」となれば、
ほぼ完全に安心してしまう。

でもね、

そうやって「逮捕された犯人」に集中したり、
捕まって安心したりしているいっぽうで、
本当は「真犯人が別にいる」としたら……超危ないよね?

世間からも警察からも「ノーマーク」だから、
真犯人は、めっちゃ悪さをしやすい。

ニセの犯人を憎めば憎むほど、
真犯人は捕まりにくくなるわけです。

(そして下手をすると、えん罪で、
罪なき人……罪なき体の部位が
めっちゃ苦労して弱るハメになる……)



■原因を独断で「特定」すると、ロクなことがない

「側湾」とか「遺伝」とか「脳梗塞」とか、
派手でわかりやすい原因を1つドーンと自分の中に
打ち込んでしまうと
「なんでもそれのせい」に思えてしまう。

なぜなら、安心したいから。
犯人を常にわかっていたいから。

(そう「思わせた人」にも、責任は大いにあるんですけどね。
 ただここは、自分で自分を守っていくしかないから)

でも、特定の犯人(候補)を疑い過ぎると、
頭痛も背中の張りも疲れやすいのもイライラしやすいのも
下痢がちなのもすべて、
「側湾」とか「遺伝」とか「脳梗塞」のせいにしてしまう。

すると、ちゃんと考えられなくなるんです。

それに何より、
側湾のある背中や、
よくない遺伝を抱えた(と思える)自分自身や、
脳梗塞を経験した頭が
「リラックスを忘れていく」んです。

なんせ
「そこが色んな症状の原因になるぐらい悪い」と
思っちゃってるし、
それは「責めてる」ことにもなるからね。


たとえば
「常に笑顔でいてね!」
とかって言われて意識しちゃうと、
自然にうまく笑えないし、疲れるでしょう?
なんなら、顔の筋肉がピクピクしたりするよね。

「常に意識させられる」というのは、そういうこと。

「うまく使えない(=機能が落ちる)」し
「疲れる」し、
「ますますそこに不調も出る」んです。

「どこかが悪い」と決めてしまうと
そこが「そう」なるんです。

……ほら「呪い」に似てきたでしょう?


■症状が重いと、つい「なぜ?」と思うけれど……

誰だって納得できる答えが欲しい。
それは自然なこと。

ただ、
「○○こそが原因に違いない!」
という感じになってくると、危険です。

断言するけど、
どんな症状だろうと、どんな病気だろうと、
「原因が1つ」ということはありません。

会社のミスとかと同じで、
「誰か一人だけが悪い」ということは、ほぼ無いよね?

そして
「そいつだけのせい」にしてたら何も解決しないのも、
わかりやすいはず。

テレビに出てくる企業の不祥事とかでも、
犯人と特定された人をクビにしてみたり、
担当からはずしたりしてるけど、
それで本当に会社が良くなるなんて、到底思えない。

ましてぼくらの体は、
会社よりよほど複雑。かつ優秀です。

予想もしないようなところがつながっているし、
助け合っている。
だからどこかの調子が悪いとか痛いとかってときに、
関係する部位は、少なくとも5か所はある。

それをちゃんと見ていったほうが、
当たり前だけど、
「よく治る」んです。

で、そんな風に原因の候補を
「広くよく見たほうがいい」のは、
医者や整体師……は当たり前として、
それ以上に、本人なんです。


■「なにインネンつけてんだよ!」

……って、
昔のチンピラも言ってたでしょう?

あれはつまり「原因を勝手にこじつける」ことを
怒ってたわけでね。
あの頃のチンピラの言う通りなんですよ(笑)

ぼくらは勝手に「因縁(原因)を付けて」はいけない。
そんなことをすると、変なやつに絡まれる。

「因縁」はいくつもあるんだから、
柔軟に探っていったほうが、ずっといい。

そうやって「ちゃんとした因縁」の1~3位ぐらいが
見えて来たら、問題の改善は、ずっと早く、
かつ軽くなります。
だって「ムリにヤバいやつに絡んでいってない」から。

あ、そうそう、
ぼくらの「重めの原因じゃないと納得しない」
というクセって
「わざわざヤバくて強いやつにインネンつける」
のと同じだからね(笑)

納得したい気持ちが強すぎて、
解決できないようなことにインネンを付けちゃうんだよね。
それこそ「側湾」とか「遺伝」とか「後遺症」とかって、
「何とかするのがかなり大変」でしょう?

それは無力感とか、
絶望感とか、諦めとセットなんだけどね……

ただ「犯人がわからないストレス」よりは、
マシだって思っちゃうんだろうね。
(無意識が)


■自分を追い詰めるのを、やめる。

でも、
今回きっと理解してもらえたと思うんだけど、
そうやって自分の頭で原因を考え続けて、
「インネン」をつければつけるほど
余計に苦しくなるんです。

あなた自身も、あなたの体もね。

インネンつけてるのも、あなた。
インネンをつけられてるのも、あなたですから(笑)
イライラもダメージも2倍です。

しかも視野が狭くなって、
無力感とか絶望感で自律神経も弱っていく。

何より
「より有力な原因」や
「より有望な解決策」を、
自分で遠ざけちゃうことになるもんね。

■「1つしかない」は、ウソ。

……と、まあ、
恐ろしい法則の話をどっぷりしてきましたが、
対策は、簡単です。

まず、
今回の話を理解しておいてもらえたら、
それだけでもずいぶん違います。

まとめると……

・原因は決して1つじゃない
・だから、解決策も決して1つじゃない(すごくたくさんある)
・「自分の発想にない解決策」にこそ突破口があることが多い
・「目立つ原因候補」を気にするのはしょうがないとしても
 「それだけとは限らない」と知っておく
・つまり原因にしても解決策にしても
 「1つしかない」というのは大抵ウソだと理解しておく
 どんな偉い人が言ってようと、自分自身が「そう」思おうと。

という結論です。

ぼくらの文化には仏教の影響も色濃くあるから
つい「因果」で考えてしまいがちです

でもときには原因のことは踏まえつつも、
「とはいえ、解決に有効なことはなんだ?」
と、目線を自分の「今」に戻すことが大切です
(原因って「過去」にしかないからね)

それこそ何かの事件で、
たとえ「真犯人が海外逃亡して完全に行方不明」だとしても、
何もできることがないわけじゃあない、からね。

国内の原状回復とか、
被害者のケアとか、
被害の拡大防止とか、
似た犯罪の再発防止とか……

犯人(と思えるもの)とは関係なく、
やれることもやるべきことも、いっぱいあるから。


つまり、
「独断型犯人特定グセ」さえ手放せば、
呪いは消えていくんです。


それは……もう、それだけで、
めっちゃくちゃ心身の健康に良いことよ。


最後に……

体の症状はもちろんだけど、
自分の色々な悩みについて、
「原因を1つに決めちゃってるもの」や、
「原因を到底どうしようもないもの」だと思い定めてることが
もしあったら、今日の話をぜひ思い出してください。

それが本当の原因じゃないことが多いから。

そして、
仮にそれが本当の原因だったとしても、
「原因とは別のところに最高の解決策がある」
ことだって、超よくあるから。

そういう可能性をあなたから遠ざける「呪い」が、
そこかしこで見つかったり……するから。


それを見つければ見つかるほど、
心や体に自由が戻ってきますからね。


ではでは、今日もお大事に。
「何インネンつけてんのよ!」って、
たまに自分に言ってあげよう。