「時間の感覚がなくなるような集中のときって、
カラダ中が静かで、視界も音も透明になる感じがする」
(30代 アスリート)
※永井の新刊、おかげさまで、また重版かかりました!
1.2万部突破です!(T-T)
■ 本当の集中は、気持ちがいいもの
「リラックスした集中」というキーワード。
ちょっとなつかしいかな?
本当の集中は、気持ちがいいものです。
色んなものがクリアで、落ち着いていて、でも
熱中はしているから効率がいい。
終わった後の疲れもさわやかで、心地よい充実感。
あっという間に時間がたっていたのに、
できあがったものはよい感じ。
そういうのが、いい集中です。
いつも、その状態にいけたらいいのに。
そう感じる人は多いはず。
実はこれ、コツがあるんです。
日々の仕事ではなかなかこういう集中まで入れない
ことも多いですよね。
いったい何が、ぼくらの心地よい集中を
ジャマしちゃうのでしょうか?
■ 目先のことを見てると混乱して弱るのが脳
目先のことに囚われること。
これが、ぼくらの集中をジャマします。
人って面白いもので、
視野が狭くなると、落ち着きを失うんです。
見通しが悪いと、不安ですからね。
そうすると、呼吸が浅くなる。
血流が落ちる。
だから弱くなるんです。
集中だと思っていても、それは「力み」が強すぎて、
どちらかというと「肩に力が入っている状態」なんです。
それでは、力は発揮されません。
ケガもしやすいし、事故(ミス)も多い。
そして何より、終わったあとに嫌な疲れが残ってしまう。
実際、緊張って、疲れますよね?
それは皆さん、体験があると思います。
「人前でしゃべらなきゃいけない」ときとか、
「あいつに勝たなきゃ」と思ったとき、
「自分をよく見せたい」とき、
「とにかく早く終わらせたい」と急ぐとき、
「これ嫌いなんだよな」と不満が強いとき。
いつもより、疲れが強いはず。
それって実は、緊張しちゃってるんです。
目先のことに囚われてしまうから、
恐れや不安、怒りや焦りが生まれちゃって、
自動的に、肩に力が入る。
それで、弱い状態で仕事しちゃうから、
疲れるんです。ドッとね。
しかも、成果も、いいものにはなりにくい。
じゃあ、どうしたらいいんでしょう?
■ 「少し奥」を見ると、ぼくらは安定する
目先じゃなくて「少し奥」を見る。
これが答えです。
これね、目標、といったらカッコ良すぎるんです。
もっと軽くていい。
「目当て」ぐらいがいいかな。小学生みたいですけどね(笑)
それがちょうどいい。
たとえば、
自転車でも、スキーでも、バイクでもそうです。
慣れないときは怖いから、
「手元」や「足元」を見ちゃうんです。
そうすると「目先に囚われる」から、安定しない。
運転は下手だし、ますます怖くなるんです。
でも逆に、顔を上げて、
少し先の進路を見ていると、一気に安定します。
ちょっとね、思い出してみて下さい。
自転車、スキー、バイクに限らず、
バスケでもサッカーでも何でもいいです。
スポーツとかが苦手な人って、目線が落ちてませんか?
手元や足元ばかり見てガチガチになってる
イメージじゃないですか?
アメトーークの「運動神経悪い芸人」なんて、
すごくわかりやすい例ですよね(笑)
100%目先しか見えていません。
逆に、上手な人は顔を上げてるんです。
「少し奥」を見たらいい。
昔、中学校の陸上の先生が優秀で、
その先生がいる陸上部は全国レベルになっちゃう、
というすごい実績だったんです。
彼がよく言っていたのは、
「100mを早く走りたかったら、110mまで走りなさい」
ということでした。
たしかにこれ、記録がよくなるんです。
「もう一歩強い力」が出る。
手抜きにもならない。
これも同じことですね。
「少し奥」を見るといいんです。
■ 「少し奥」を見て心地よい集中力を得るコツ
【Q】何を目当てに、この作業をしようかな?
ということを、自分で決めるんです。
上司とか他人から決めてもらってしまったら、
「つまらなくなる」から、ダメですよ?(笑)
自分で決めるのがいい。
具体的には、
時間、サブ成果、感覚、という3つが
キーワードになります。
たとえば、
● 20分で全部終わらせてみよう!(時間)
● 3つは良いポイントを作ろう(サブ成果)
● 笑いがとれた数を数えよう(サブ成果)
● 深めの呼吸を意識しつづけよう(感覚)
● お腹が動くのを意識しながら歩こう(感覚)
……といったことです。
事例はバラバラですが、
こういったサンプルがあれば、
仕事でもスポーツでも、応用がしやすいと思います。
要は「個人的に注目したい目当てを勝手に設定してしまう」
ことで、自分の中でゲームにしちゃうんです。
それが「仕事そのものの目的」より奥にあってもいいし、
実はそのちょっと横にあってもいいんです。
(逆方向にあるのはいけませんけどね)
1つに囚われないだけでも、目線は上がります。
仕事そのものの目的に「あなた個人の目当て」が
足されるだけで、あなたの意識はずっと自由になる。
自分のためにやれる「部分」があるから。
これ、すごく大事です。
楽しくなるし、疲れにくくなる。
遊び心が出てくると、子どものような、
心地よくて深い集中に入っていきやすいんです。
「やらされ仕事」じゃなくなって、
自動的に「積極的になれる」という言い方もできますね。
ちなみに、「集中力」で検索をかけると
「集中力を高める方法|仕事勉強が超はかどる12個のコツ」
(http://kokoromanual.com/syutyu.html)
……というサイトがでてきました。
興味がある人はもちろん、のぞいてみてもいいと思いますが、
ここで紹介している12個のコツのほとんどに、
「少し奥を見る」という方法が関わってきます。
だから、集中したいとき、成果を出したいとき。
いや、そうじゃないなぁ……もっと気軽に、
「ゲーム感覚」で作業や仕事を楽しみたいとき。
【Q】何を目当てに、この作業をしようかな?
この魔法の質問を、自分に問いかけてみましょう。
そして「あくでも個人的な目当て」をもって、
遊び心(=子ども心)を取りもどしましょう。
本物の集中をつかむ、きっかけになりますように!
ぜひ、お試し下さい。
……というわけで、今回は
「集中できるかどうか、楽しいかどうかは、目当て次第」
というテーマで、お送りしました。
ではでは、くれぐれもお大事に!
整体でも、手元ばかり見ている先生は、まだまだ半人前です。