多くの人にとって、情報は、もう、足りています。
よく「足りないのは、実行だ!」と言われますが、
それも少し違うと、ぼくは思います。
闇雲に実行して、目移りして、結果が出ないことって、
たくさんあるから。
じゃあ、決定的に足りないのは、
情報でも行動でもなく、
何なのでしょう?
ぼくの答えは、「情報の消化」です。
「消化が甘い」から、
実行まで行かなかったり、
実行の方向が間違ったり、
実行の質が低かったりする。
食べものの栄養と、おんなじ。
多すぎてもダメ、
空腹じゃないのに無理して食べてもあかん、
噛むのが少なくて早食いでも負担、
消化ができない分は、毒にさえなる。
(そう、消化できない情報は、毒にもなるよー)
じゃあ、結果を1番左右する
「情報の消化」って、どうやったらいいのけ?
ぼくが見つけたベストは、
「音読」です。
声に出して、覚えるぐらいまで、読み上げる。
1冊ぜんぶは大変だから、
「すごく好きな本の、すごく好きな部分だけ」でいいから。
覚えてしまう。
脳に刷り込んでしまう。
肌身に、染みこませてしまう。
声に出せば、目だけじゃない、
自分の声で響く分、耳で聞く分も、
入ってくる。
そりゃあ、消化力、段違いですよね。
活性化される脳のエリアが、グン!と広くなりますから。
もう1つ。
解釈を消す、という効能が大きい。
多くの「読書の価値を活かせないケース」では、
なんとなくしか内容を把握していないんです。
「心に残ったのは、どの一文だった?」
って聞かれて、
「それはね、~~~~~という言葉だったよ」
って、『復元』できるかどうか。
ここがすごく大事で、
「要するに、こんな内容のことを言ってたよ」
って、「自分の言葉」で解釈してしまっていると、
あかんのです。
なぜなら、自分の言葉で解釈するということは、
「変換」を含むから。
「今までの自分のレベル」に「新しい情報」を
合わせてしまう。
せばめてしまう。
低めてしまう、ということ。
そりゃあ、レベルアップしなくて、当たり前ですよね。
本の価値が、するりと抜け落ちるんです。
仕事でも同じです。
ミスが多い新人、成長が遅い新人は、
上司からの指示を「解釈」するんです。
ミスが少ない子、成長が早い子は、
「上司のセリフを正確に覚える」んです。
この差は、圧倒的。
木の下にいて、落ちてくる実だけを拾うのか、
自分が木に登って、豊かな実りをがっつり頂くのか。
ぜんぜん、違うでしょう?
木に登った分、筋肉もついてるよね。
まわりだって見渡せるよね。
だから、学びという面ではもちろん、
その元である「理解」という段階において、
「相手のセリフをそのまま復元できる」
ということが、根本になるんです。
ここをなくして、次には行けない。
だってここがズレたら、
あとは、やればやるほどズレるんだもん。
行き先は真北なのに、北から20度ズレてるだけでも、
行けば行くほど、目的地から離れていくでしょう?
埼玉に行くつもりが、茨城に着くんですよ。
「自分の解釈」の中に住んでいる人は、
木の下でうずくまっていて、変われない。
「自分の解釈」から外に出て、木に登る人は、
羽を伸ばして、変わっていける。
どっちが、より自由か。
楽しいか。
息がしやすいか。
あなたは、しっかり理解したいと思う
大好きな本のセリフを、そのまま復元できますか?
大事な人のセリフを、そのまま復元できますか?
ぼくの読書はいつも、
大事なところにラインを引きまくり、
特に大事なページは端っこをがっつり折り曲げて1回目。
2回目、3回目は、折り目があるページのラインを引いた部分を、
声に出して読みまくる……というものです。
しかも、そうすると思いつくことがたくさんあるので、
メモを書き込んだりして、本はますます汚れます(笑)
でも、そうするようになって、
残り方も、その後の動き方も、ぜんぜん違うものになりました。
行きたい場所があるなら、
今いる場所から離れたいなら、
大切な言葉を、そのまま覚えるまで、くり返し、声に出す。
こんなシンプルな魔法、他にないよね。
……今気づいたけど、
魔法ってそもそも、
「大切なセリフをくり返すもの」ですね(笑)
というわけで、
「音読のススメ」でした。