72歳のおばあちゃんが、教えてくれたこと。
「膝がまったく痛くなくなりました。
10年以上もよくならなかったから、
正直、もうあきらめてたんですけどね」
胸が苦しくなるような顔で、笑ってくれた。
たしかに……と思うんです。
「ほとんどあきらめてたのに、叶うこと」ってあるよな、と。
このおばあちゃんの膝は、変形してました。
ひどいO脚の状態でね。
だからぼくも「必ずよくなる!」なんて思ってはなかった。
正直、「プラスになることはきっとある」ぐらいの気持ち。
整体に通っては来てたんだから、
おばあちゃんも10%ぐらいの希望は、もっていたでしょう。
そんな二人だったけど、奇跡は、起きた。
もしかしたら、
それぐらいでもいいのかも知れないよね。
「あきらめない!」って言うと、
いかにも熱い気持ちをキープしなきゃってイメージ、
ありませんか?
そうじゃなくていいんだなって、気づいたんです。
「いつも意識してるわけじゃないけど、忘れてはないよ」
「あきらめ切ってはないよ」
ぐらいでも、叶うものは、叶うんだから。
そんなケース、いくらでも見てきました。
……いや、むしろ、熱い気持ちで執着している人より、
治りがいいぐらいかもしれない。
ちょっと、ホッとする話じゃないですか?
そんなにいつもメンタル強いなんて、無理だもの。
北斗の拳じゃあるまいし(笑)
希望は、10%でもいいのかも知れない。
そのひとすじの意思があれば、たぶん、
「拾う神」からは、ちゃんと見えるんです。
希望のことを「光明」なんていうけれど、
その通りだね。
希望って、ひとすじでもいいんだわ。
すいすい歩くようになったおばあちゃんの背中から、
ぼくはそんなことを、教わりました。