■もしも……
「 ここ1年ぐらいで、1番心に残っている食べ物は?」
―― って聞かれたら、
何が思い浮かびますか?
チラッと考えてみて下さいね。
ちなみにぼくは「おにぎり」です。
……
「お前は、山下きよしかっ!」
というツッコミはちょっと待って頂くとして……
(「おにぎり……なんだな」とは言っていないため)
めっちゃくちゃに美味しい塩、
見つけたんですよ。
機会があれば、それもどこかで話しますが、
この新しい塩でつくってもらった
「具無し、海苔も無しの、塩むすび」が、
とにかく、うまい。
異常にうまい。
おかずが何もいらない。
味噌汁も飲み忘れる始末。
……って、
これを力説しだしたら朝までかかるので、
控えますが、
「こんなにご飯の味が濃くなる塩、初めてだ!」
って、思ったわけです。
……さて。
あなたが思い浮かべた食べ物は、何でしたか?
そしてそれは、
「なぜ、心に残った」んでしょうか?
■ 心に残るものには「初めて」がある
100%じゃないかも知れない。
でも、そこに「初めて要素」って、なかったですか?
たとえば……
「娘が初めて料理をしてくれた卵焼きに、感動したなぁ……」
「初体験だったギリシャ料理がうまくて驚いた」
「カカオ70%アーモンドチョコレート、あんなに美味しいのに、
なんで今まで誰も教えてくれなかったの!」
みたいなことね。
これはわかりやすい例ですが、
もし↑みたいなことを言う人がいたら、
「なるほど」って、思いませんか?
そりゃあ、心に残るだろうな、ってね。
■もう1つ。
「部分的に初めて」ってことも、あるんです。
「納豆にわさび入れたら美味しいの、意外だったから覚えてる」
「ただのアンパンなのに、BBQの炭火で焼いたら、甘みが爆発してた」
「ミートソースにちょっとだけ豆板醤入れたら、コクがすごかった」
みたいなやつね。
これも、聞いてみたら、
「へーーー!」って思うの、あるでしょう?
納豆もアンパンもミートソースも、
それ自体は初めてじゃない。
だけど、
「初めて」が少し混ざってる。
それもやっぱり、心に残るんです。
新鮮だから。
インパクトがあるもんね。
何が言いたいか?
「【初めて】が強く響いて残るのは、
体にとっても、同じだよ」
ってことね。
■ 「大きな初めて」と「小さな初めて」
わかりやすい「大きな初めて」と、
実は同じぐらい大切な「小さな初めて」。
あなたは最近、体験してますか?
……いや、
あなた自身の体に、体験させて上げていますか?
たとえば、
●新しいストレッチ
●新しい体操
●新しいサプリ
●新しい食べ物
●新しい薬
●新しい病院
●新しい整体
とかね。
これはわかりやい「大きな初めて」です。
でも、多くの場合、
「小さな初めて」が大事だったりする。
●今までのストレッチだけど、夜だけじゃなく、朝もやるようになった
●知ってた体操を学び直して、効く場所をイメージするようにした
●サプリの飲む量を変えてみた
●食事の量を少し減らして、時間帯を決めてみた
●薬の量を減らしてみた
●いつもの病院の先生に、改めて今の状態と今後について聞いてみた
●通ってる整体で、自分の原因とセルフケアをちゃんと教わった
ということね。
これ、並べてみたら、なんとかく、
「ああ、そうか……」って、なりませんか?
前半のような「大きなはじめて」も、大事。
たしかに全く今までに無かった可能性に触れられる。
これは、
【横への広がり】です。
ドーン!というすごい「アタリ」を引く希望もあるけど、
1つ1つのトライが軽くなる恐れがある。
キリがないリスクもあるよね。
後半の「小さなはじめて」も、すごく重要。
今までの自分とつながっていて、知識や経験が活かされる。
こっちは、
【縦への深まり】なんです。
一見、地味には見える。
でも1つ1つのトライに重みがある。
より自分に合った、高いレベルの領域に行ける。
もちろん「そもそも、そのポイントじゃない」という危険はあるから、
こればかりでは、ジリ貧になることもある。
つまり、
「縦にも横にも、広げつつ深めようぜ」と。
「大きな初めて」と「小さな初めて」を、
どっちも試していこうぜ!
ってことなんです。
そう考えたら、今……どっちが足りてない?
■ マンネリ化すると脳は飽きる
「お気に入りを見つけなさい」
「継続が大事です」
ぼくもくり返し、お話してきたことです。
ただ、
「マンネリ化」しちゃダメなんですね。
少しずつ変化をしていかないと、
「脳が飽きる」。
飽きると、健康法が効かなくなる。
■ 定番と新しさの、黄金比とは?
具体的には……
全体の7~8割は、レギュラーの定番、継続要素。
残りの2~3割は、チャレンジの新規、変革要素。
というバランスが理想です。
何でもかんでも変えまくっちゃうと、
「もうこの、浮気者!……きらい!」
ってなるわけです。
イメージね(笑)
脳の処理が追いつかないから、
健康法の効果・効能を「消化できない」わけです。
だから、
だいたい「いつもの7」:「新しいの3」ぐらい。
これが、
脳や体にとって、1番いいバランスなんじゃないか。
で、ここでも、
「大きな初めて」や「小さな初めて」という
2つの要素が、超大事なんです。
■ 健康法の効果をマックスにする方法
要点をまとめましょう。
「今までにない結果」を出す方法は……
1)定番セットをある程度決める(3つほどの「いつものやつ」)
※ その3つには違う種類の刺激を混ぜておく
(例)マッサージ系、ストレッチ系、体操系、など
2)1の定番セットはキープしながら、
興味のあるものはどんどん試す
3)月の頭(つまり今ぐらい)には「初めて」を導入する。
●2で新しく試した中で気に入った1位を、定番セットに加えてみる
(大きな初めて)
●定番セットの元動画や本を見直しつつ、1つでいいから工夫を加える
(小さな初めて)
(例)マジで正確に指示を守ってみる、ペースを自分用に変える、
動きをさらくに楽で気持ちがいいように変える など
※ただし「効果が良い」と感じている要素は、変えなくていい
こういうことですね。
こうしていくと、
たとえるなら……
「ご飯とお味噌汁はいつも凄く美味しくて、
おかずは鉄板でおいしい焼き鮭と豚の生姜焼き料理などがありつつ、
面白い日替わりメニューも週に1回は入れ替わって行く
超ナイスな定食屋」
みたいになわるわけです。
……うん、
わかりやすくなったのか、どうか(笑)
要は、
安心要素とワクワク要素がいい具合になるから、
脳と体が1番よころぶ、ということね。
飽きないし、ワクワクするし、消化不良にもならない。
そしたら……効くよね。
しかも、あなたの「定番」は、
時間とともにより良く、
よりあなた向きなものに、
育っていく。
そういうサイクル、いいと思うんです。
■ちなみに、当然だけど、このサイクルは、
仕事でも家事でも何でも、同じです。
少しずつ、あくまであなたにムリのないペースで、
「大きな初めて」と「小さな初めて」を
組み込んで、くるくる、サイクルを回す。
じわじわジワジワ、良くしていく。
そのほうが、いい結果が出るし、
そのほうが、楽しい。
逆にいったら、
「なんだか結果が出ない」とか、
「なんだか楽しくない」と思ったら、
「初めて」が足りないのかも知れないよ。
3月。
やっと温かくなってきたしね。
そんなこと考えてみるのも、
いい季節なんじゃないかしら。
ではでは、くれぐれも、お大事に。
ぼくの最近の「大きな初めて」は、
「ラディッシュの漬けもの」でした。
(大きくないか)