「あぁ、そういうことだったのか……」
って、最近、意味がハラに染みた言葉が、あるんです。
この言葉がもしかしたら、
あなたの心の支えにもなるかも知れないから、
紹介しますね。
■剣道7段の敬愛している大先輩が、
教えてくれた言葉です。
「2つの世界を持っておきなさい」
1人の人間の中に、世界が2つあるから、
バランスを取り、深みを増していくんだ……と。
こう話してくれた彼は、
彼は剣道家しても、7段の腕前の達人ですが、
教育者としても、超一流でした。
(勝手ながら、心の師匠と思っています)
校長先生を勤め上げた後、異例の若さで
教育長にもなっています。
パッと聞いただけでも、
いろいろと考えたくなる言葉でした。
でも、この言葉が
ぼくの中で本当に消化されたのは、
半年ほど後のことでした……
■きっかけは、
ぼくの整体スクールの生徒さんからの質問です。
「先生は、もともと器用なほうじゃないらしいですけど、
施術にしても文章にしても、
どうしてそんなに上達できたんですか?」
……はい。
もちろん、
まだ理想とはほど遠い未熟さです。
ただ、たしかに、
整体スクールで施術を伝えた生徒さんはもう
1000人以上にもなります。
本も4冊出していて、
5冊目の原稿を書き終えました。
ある程度のリップ・サービスはあるかと思いますが、
編集者さんにも、文章を褒めてもらうことが
増えて来ました。
……どうしてだろう?
元々は、あんなに下手だったのに。
でも、よく考えたら、
その答えは、
生徒さんの質問の中に、すでにあったんです。
■ぼくは「施術する」ことと「伝えること」という
2つの世界を持っていた。
――このことに、気が付きました。
第一に、ぼくはまず、施術が好きです。
……というよりは、
「施術を通して触れることができる人間の可能性」が、
すごく好きです。
「ええっ!
人の力って、こんなに凄いのか……!!」
そういう感動を、
いつも与えてくれるからです。
そしたら、
その感動って、伝えたいじゃないですか?
だからぼくは、
「とあるお婆ちゃんの膝が良くなって、
痛くなくなって自由に外出できるようになった話」
「また別のおじいちゃんの腰が楽になって
孫と思い切り遊べるようになった話」などを、
奥さんに一生懸命、話してたわけです。
「まだ下手なうちから」ね。
やがて、
施術でわかった健康のコツを、
ブログにも書くようになりました。
そしたら、
話したり書いたりしているうちに、
行き詰まるんです。
疑問とか、違和感とかが、どんどん出てくる。
うちの奥さんなんて、
【お世辞とかウソとか全然言えない病】なので(笑)
ツッコミがもう、鋭いわけです。
「なんで、足首を揉んで、生理痛が消えるの?」
つってね。
■2つの世界を「行き来」する
要は、
「結果は出るけど、説明はできない……」
というのが、あらわになっちゃうんです。
悔しいし、もったいない。
だって説明ができたら、
もっと喜んでもらえるかも知れないんだから。
そしたら、ぼくは、調べるしかない。
もっと詳しく知るしかない。
やってみるしかない。
つまり……
1)施術するから、伝えたくなる。
2)伝えているうちに、知りたくなる。
3)知ったことや、知るべきことのおかげで、
施術がしたくなる。(しなきゃいけなくなる)
……で、1に戻る。
ぼくはそうやって、
「施術する」
「伝える」
という2つの世界を、行き来してきたんです。
……これが、すべての始まりです。
■2つの世界の旅が、本になった。
「施術する」と「伝える」という
2つの世界を行き来する。
このサイクルを、くるくるくるくる回してたら、
いつの間にか、
・「効果が伝わりやすい施術力」と、
・「施術方法がわかりやすい説明力」が、
じわじわ上がっていったんです。
今振り返れば、当たり前なんですが、
この2つがあれば、
本が書けるんです。
2つの世界があったから、
ぼくはきっと、
上達が早かった。
きっと、剣道7段の
ぼくの心のお師匠さんが言ってくれたことも、
これに近いんじゃないかと思うんです。
じゃあ、どうして、
今、この話が大切なのか?
■「2つの世界を持ちなさい」とはいうものの、
誰もが本当は、2つ以上の世界を持っている。
そう思うんです。
たとえば、
誰かの子どもである自分。
逆に、誰かを育てる立場である自分。
仕事に励む自分。
趣味を楽しむ自分。
買い物を楽しむ自分。
何かの商品や自分自身を、売る側にいる自分。
きっと重要なのは、
どちらにも「真剣さ」が入ったときに、
「どっちもがすごく伸びる」ということだと思うんです。
■今、目の前にある2つの世界。
色々とうまくいくときの自分。
なんだかうまくいかないときの自分。
ぼくはこれだって、
2つの世界だと思うんです。
そう考えたとき、思い浮かぶのは、
イチロー、メッシ、松本人志なんです。
彼らにだって、
いいときと、そうでないときがあります。
好不調の波もあるし、ケガもある。
でも、すごい人って、
「好調なときにめちゃくちゃすごい」のはもちろんだけど、
「不調のしのぎ方」も、一流なんです。
これはもう、間違いない。
ケガのときの「次への備え方」がすごい。
好調じゃないときの周りへの頼り方がすごい(上手)。
ギャグがスベったときのフォローがすごい。
だから、勝負の場を与えられる。
奪われることがない。
そして、
好調の波が戻ってきたときには、
「進化版のその人」になっている。
そういうことだと思うんです。
■今、コロナのことがあるから、
「制限された生活」になっている人が多いと思います。
でも、
「制限された生活」でできる工夫をやってた人は、
もう一度、
「制限がはずれた生活」に戻ったときに、
「進化したその人」に、なっています。必ず。
「こんなときだから料理でも覚えてみよう」とか、
「自宅でも超効率的に仕事ができるシステムを作ろう」とか、
「せっかくだから要らんものを捨てまくろう」とか……
中身は何でもいいんですけどね。
要は、
「いいときの自分」を大事にするのと同じか、
またはそれ以上の熱意で、
「よくないときの自分」を大事にする。
そう思ってみることができたら、
経験値が2倍、入るんです。
……いや、3倍ぐらいになるのかな。
■ちょっとだけ小ズルいことを言いますが……
2つ世界があると、1つがうまく行っていないときに、
もう1つが「避難場所」になることもあります。
ぼく自身、
施術で困り果てて落ち込んだときに、
文章を書くことで喜ばれて、
気持ちを持ち直した。
……なんてことは、数限りなくあります。
そして、その逆も、あるんです。
つまり、
「高め合う」というような、
意識が高い話だけじゃなくて。
「いったん距離を置いて逃げる」という意味でも、
2つ目の世界は、ぼくを助けてくれている。
そう考えたら、すごい人って、
「反対側もすごい」んです。
長く売れる芸能人は、
イジるのもうまいし、
イジられるのもうまい。
(たけし、タモリ、さんま……etc)
すごい経営者は、
男性(脳)的な決断力と、
女性(脳)的な心配りを併せ持っている。
本当に腕のいい整体師は、
直接的なマッサージ系のことも上手いし、
間接的な氣功系のことも上手い。
きっとどの分野の達人も、
「2つの世界」を行き来しているんじゃないか。
■今だからこそ「2つ目の世界」を育ててみる
えっと……
今回の話、マジメ過ぎます?(笑)
でも、
大げさなことじゃなくて、
「外だけじゃなく、家の中での遊び上手になる」
みたいなとも含めて、2つ目の世界ですからね。
だってね、
ぼくらには「両足」があります。
左に傾いたり、右に傾いたりすることが、
「歩く」ということです。
そうやって「2つのバランスの行き来」をするから、
前に進んできました。
多分大事なことは、
左に傾くときには、下手な抵抗をせずに、
「しっかり左足に体重をかける」こと。
右に傾くときには、下手な抵抗をせずに、
「しっかり右足に体重をかける」こと。
こんなときだからこそ、
「もう1つの世界づくり」を
楽しんでみたいと思うんです。
そしたら何が、2つ目になりそうですか?
普段のあなたの「反対側」には、何がある?
いつもと違う面から見てでも大切にしたいことって?
たとえば、こういうのが、
すぐ使える魔法の質問かな。
ではでは、くれぐれも、お大事に。
ちょうど「YouTubeの世界」を始める人が、
すごく増えたなー。