楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「待つ力」は才能に勝る

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「これぐらいで、やめる人が多いんだろうな」
というときは、まだやめるときじゃない。

 


思えばぼくは
「惜しいときにやめる人」をさんざん見てきた。
仕事も、学びも、遊びも、健康も……
「あと3歩で大きく変わるのに」というところでやめる人が、一番多い。

たしかに、そのあたりは、しんどい。

疲れは溜まってきてるし、期待のほうは逆にしぼんでる。
「もうダメなんじゃないか」って気持ちが、のしかかる。
心も体も重くなる。

でも本当は「それまでの7歩」のほうが、
ずっと大変で時間のかかるものだった。
7歩を歩んできた力と実績は、疑いようもない本物だ。

それなのに……

「先が見えない」ことに耐えられず、
または「他のほうが良いかも」という誘惑に抗えず、
進路を変えてしまう人が、8割。
もちろんぼくも散々、そうしてきてしまった人間だ。
(たまたま、いくかの面では、そうしなかっただけでね)

見えないだけで「山頂」はもう目前だった。でも、降りてしまう。
山頂の空気や景色は、
「山頂のたった一歩前まで」とは、ガラリと違うのに。
そこで得られる感動や経験値は、天地ほどの差を生むのに。

だからきっと分かれ目は「やめたいかも……」と思ったとき、
同時にスタートした人たちの多くが、やめ始めたときだ。

そのときに「あと3歩だけ粘ろう」と自分自身に
言ってあげられる人は、より多くの山頂を知るんだろう。
(そしてより高い、より面白い次の山頂に登り切る力を得る)

最終的な結果を大きく変えるのは、
驚くほど小さな差だ。


山頂は格別で、氣が大きくなる。
だから成功の理由を聞かれたら、大きな、カッコいいことを言いたがる。
それも人情だ。勘違いだってする。

でも本当は……

人並み外れた才能や工夫や努力や幸運などよりも、
「人より少し長く待てた」こと。
「人より3歩ぶん粘れた」こと。
「人より3割だけ諦めが悪かった」こと。

そんなことが決定的だったりする。


整体の道。

ぼくより5割も7割もセンスが良い先輩は、少なくなかった。
でもぼくは、この分野では、
彼らより、3割ぐらい、あきらめが悪かった。
彼らの多くは独立が叶わなかったり、整体の道をやめたりした。
ぼくは幸い、恵まれて、今もこの仕事に従事していられる。


健康の道。

ぼくより「すぐ変化が出る」人は、少なくない。
でも期待を膨らませ過ぎた彼らは、待つことが苦手になる。
「停滞期」をしのげず、治り切る前に他に行ってしまう。
ぼくはこの分野では、あきらめまでもが遅かった。
そのおかげで、一時的ではない回復を手にした。


……それで、良かった。



人より少しだけ長く「待てる」かどうか。


外界には風もあれば波もある。
それらは人を飲み込むほどのパワーを持つ。
でも、ぼくらの中……内界にだって、風もあれば波もある。
やっぱり、人を飲み込むほどのパワーを持つ。


だから、待つ。


タイミングなんて本当は、器用に「はかる」ものじゃない。
来るまで待つものだ。

……などと思いながら、待つ。


突破とか克服とか飛躍とかいのべーしょんとか
カッコよく言いたいけれど、
そういう言葉を飲み込んで「しのぐ」。


愚直や愚鈍が才能に勝ることなんて、
なんにも珍しくないんだから。


ぼくは幸い、そんなふうにして、
整体の道や健康の道を、ここまでノコノコ、
やってきたようです。


ではでは、くれぐれも、お大事に。
「早くやめる」ことで有利を得る人もいるけれど、
そっちはちょっと天才向きかな、と。