楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「残された可能性」が3倍になる考え方


「私のこの症状は、治る可能性があるでしょうか……?」

そんな相談をもらいました。

整体もハリも氣功も、
ヨガもピラティスもストレッチも、
食事や睡眠や運動系の健康法も……試して来た。

自分なりに「評判の良い先生」をちゃんと探してやってきた。

……でも、ダメだった。

私はダメなんじゃないかと思う。
私「が」ダメなんじゃないかと思う。

長く不調をかかえている人は、
いつも心のどこかに、この葛藤をかかえています。

それでもぼくは思うんです。
「あきらめるのは、たぶん、3段階は早いよ」



なぜ、3段階か?

 


多くの人は3つ、
可能性を見過ごしているからです。


この、ほとんどの人が見過ごしてしまっている
もったいない可能性を、ぜひ知っておいてほしい。



●見過ごされまくる可能性の1つ目は……
「回復の準備」です。

たとえば、
水分、塩分、タンパク質、睡眠、酸素(呼吸)のどれかが
足りてないことが多いなら、治るのは難しい。
修理する「素材」が足りないからです。

また、
電磁波まみれで神経がマヒしていたり、
有毒性のある食べものが多くて内臓が機能不全な場合も、
治るのは難しい。
修理する「人材」(機能)が足りないからです。

これらの条件は、たとえあなたが20代だろうと、
めちゃくちゃ体質が良い人だろうと、変わりません。

裏を返せば、
これらのどれかを1つ変えるだけで、
今までとは全く違う速度で治り始める人も、いるんです。


●見過ごされまくる可能性の2つ目は……
「評判は普通以下だが腕のいい先生」です。

評判の良さと腕の良さは、
思った以上に、つりあっていません。
すごくすごく、残念だけど。

最近ホットな話題である「食べログ」の問題を
考えたらわかりやすいけれど……
技術とは別のところで得られる評判、というものが
たくさん存在します。

それがねー、食べものだったら、わかりやすいよね。
「いやぁ、聞いてたより、美味しくないわ」って。
食は、好みの問題だから。

でも、医療はちょっと違う。
好みの問題では、片付けられない。

「医者が言うんだから」
「専門家の見立てなんだから」
ということで、必要以上に重く見えてしまう。
こちらのほうを、疑ってしまう。
評判が良かったりすると、よけいにね。

でも、違うよ。

評判は普通以下だけどすごい技術の先生は、たくさんいる。
医者でも漢方医でも整体師でもなんでも。


そして……


●見過ごされまくる可能性の最後。3つ目は……
「腕は別として相性のいい先生」です。

今回ぼくは、これを1番強調したい。

相性の問題って、
めっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ、
大きいんです。


そもそもね、
ここで紹介した3つの可能性は、
どれも捨てて欲しくないものです。

ただ、1つ目や2つ目だったら、
「そこまではわかってるよ!」って人も、いるでしょう。


でもね、3つ目はどうかな。

「相性」の問題って、
すごく盲点になりやすいんです。


これが一番大事だと思うから、
ちょっと正直、くるおしい話なんだけど……
1つ、実例を紹介させて下さい。


もう7年ほど前のこと。

ぼくの整体スクール・初級の生徒さんで、
ミナミノさんって男性がいたんです。

20代前半、身長が高くて185cmぐらい。
役者志望なんだけど、体のことに興味があった。
スラッとして脚が長くて、
顔はディーンフジオカ……に、
ちょっとだけ的場浩志をトッピングした感じ。
(早速くるおしい)

その彼が、何をしたのか?

たまたま彼の「同期」としてスクールに通っていた、
ぼくの患者さんの腰痛を、
スッパリ治してしまったんです。


……ええ。

もちろん、良いことですよ?


でもね、とにかく驚いた。
ぼくも驚いたし、その彼女も、驚いた。

20年来、抱えてきた腰痛だったんです。

病院をいくつまわっても
「骨が変形してる」「手術でも難しい」とサジを投げられ、
思いつくことをぜんぶ試してもダメで、h
楽ゆる整体に来てた方です。

ぼくも彼女と一緒に試行錯誤するなかで、
半年ぐらいかけてようやく、
100だった痛みを60ぐらいまで改善してきてた。

それが……ですよ。


初級スクールの第3回目、
『腰のケア』のクラスのときです。

その彼女とたまたまペアになった
ミナミノさん……
つまり、ディーン・的場・フジオカは、

「いやぁ、やることはよく理解できたんですけど、
 力加減の感覚が難しいなぁ!」

などと、ブツブツ言ってる。
ブツブツ言っていてさえ、さわやか。

もちろん、素人さんです。
手つきもたどたどしい。
ただ誠実に、ぼくがつくった初級のテキスト通りのことを
やろうとしている。

たった15分ぐらいの「練習時間」。


それで、
彼女の20年来の腰痛は、消え去ったんです。


ぼくがそれを知ったのは、
その日の夜、
彼女から興奮したメールが届いてからです。


「永井先生、腰痛が……なくなっています!
 色んな動きで痛みを探しても、探せないぐらいです。
 今日のクラスでペアだった彼に、お礼が言いたいです」


その後も、
彼女の腰痛は、再発しませんでした。


とてもとても嬉しい。
でもいっぽうで、正直、くやしさもある。
くるおしい。


ディーンの技術がぼくより上だったことは考えにくい。
何より、ぼくの教科書にあるテクニックしか、彼はやっていません。
それも、慣れない手つき……

でも、
ぼくが半年かけて全力で試行錯誤しても超えられなかった壁を、
ディーンはものの15分で、ヒョイっとまたいじゃった。
(その長い脚で)



これが氣というものの凄さであり、
恐ろしさだと思うんです。

ペアで練習している様子をみていても、
彼女とディーンは、あきらかに、氣が合っていました。
まるで、かなり前からの友人のような
ムードができてる。

(ああいうのをナマで見るのって、面白いですね。
 お花が咲くまでまでを映してる早送り動画みたいだった)


そんなふうに、
相性の良さが、いろんな条件を超越しちゃうときって、
あるんです。


嫌いだった教科が、先生が変わったことで、好きになる。
それで成績も変わった!

――みたいなことって、よくあるでしょう?


ほんとうにそれなんです。


教えるということも、
施術をするということも……

実は、薬を出すということや
手術を施すということでさえ、
コミュニケーションです。

人と人のコミュニケーションなのだから、
そこには氣の交流があります。
〝相性のかけ算〟がある。
だから当然〝割り算〟もある。

「届け方」も「受け取り方」も変わるのだから、
そこから受ける結果(=影響)は、
ものすごい差になってしまう。

それこそ、
まったく同じプレゼントでも、
「誰からどんな風にもらうか」によって、違うもんね。

喜びも思い入れも、
その後の活用度あいも、
なんなら記憶への残り方さえ、
全く別のものになってしまう。



もちろんね、
初級とはいえ、楽ゆる式ですから……
「血流や神経など、体の深いところまで届くケア」をしていた、
というポイントは、重要だったと思います。

ディーンが遥かイケメンだったことも、
無関係ではないでしょう。

それでも、ね。


はい。


要するに、

1.回復する準備ができていて、
2.本当にいい先生に出会えた

……という2つ目までの可能性を
充分に活かすことができていたとしても、

「相性が合わなかった」なら、
結果が出ないこともある。

逆に言うと、
1と2の条件は「そこそこ」でしかなくても、
「相性が抜群に合う」なら、
結果が出ちゃったりもする、と。


これはやっぱり、
希望だと思うんです。


治る可能性は、どこに隠れているかわからない。
いつどんなときに顔を出すか、わからない。

今回の「ディーン」のことはあくまでも一例ですけど、
そう言えるだけの実体験が、ぼくにはあります。
(ぼくが「ディーン役」をやって、奇跡みたいに回復した
 事例だって、たくさんあるしね)


別に、
いたずらに夢を見せたいわけではないし、
ロマンを語ってるつもりも、ありません。

論理的に考えて、
「まだ試していない可能性(組み合わせ)」
って、あるはずなんです。


だから、
「もうダメかも」ってなったときのためにも、
この3つの質問をポケットに持っておいて下さい。

【Q】あなたに絶望を与えたのは、本当に技術のある先生でしたか?
【Q】その先生の施術を活かせるだけの準備が、自分にありましたか?
【Q】あなたにとって「相性がいい」先生でしたか?


技術、準備、相性。

あと、
本当は……タイミングとかね、
「残された可能性」は他にも、あるんです。


だから、
あなたが「もうダメかどうか」なんて、
あなたが決めちゃいけないし、
どっかの超偉い先生だって、決められることじゃないのよ。

だから、大変だけど、探そう。


長く抱えてきた症状、なかなかよくならない悩み。

症状が良くならないことはもちろんだけど、
試しても試しても報われない無力感が、辛い。
「自分はダメんじゃないか」と、何度思ったかわからない。

大変なことなうえに、こちとら本来の元気もないんだから、
疲れることがあってもグチることがあっても、
一旦イヤになることがあっても、休むことがあってもいいんです。
それは普通……というか「まっとう」なこと。


それでも、
本物の技術をもった先生が、まだ残っているかも知れない。
あなたに合う得意分野の先生が、まだ残っているかも知れない。
あなたと相性の合う先生が、まだ残っているかも知れない。

タイミングや縁というのは不思議で、
「見つかるときは見つかる」ものです。

全力で戦い続ける必要はありません。

ただ、多くの場合、
「私はダメかも」というのは誤解だと知っておいて欲しい。
「この先生とはダメなだけかも」と心の中で言い直してほしい。
「今はダメなのかも」と考えてみてほしい。


そうやって、
「思ってたのの3倍ぐらいはある可能性」を
両わきに感じながら、過ごしていけたら……って、思います。

あと、
ぼくの顔もディーンみたいだったらな、
とも、少し思います。


以上です。


ではでは、今日もお大事に。
氣のタイプにも「グー・チョキ・パー」があるよ。
(2つまでなら、高いレベルで出せるようになるんだけどね)


■追伸:

セラピストになりたい人や、
セラピーを学びたい人は特に、
この記事のことを忘れないで欲しい。

「相性が技術を超えることもある」というのは、
とてつもなく大きな励みになると思う。

ぼくだって本当は、
「ぼくより技術が高い人なんていくらでもいるのに……」
って、ビビってるんだから。

それでも整体を続けていられるのは、
「ぼくとだから良くなるという人が存在しうるから」です。

基礎がしっかりした技術さえ学んでいれば、
「あなただから治りました」というお客さんは、
本人が思うより遥かにたくさん、現れます。

逆にいうと、
相性が悪いお客さんは、
本当にその人のために、別のところを紹介できますしね。
(自分を恥じることも責めることもなく)

ぼくはそういう信念で、整体をお伝えしています。
そのおかげで、たくさんの嬉しい奇跡に出会えました。