楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「メリハリ」幸福論

「メリハリ」幸福論



ぼくは歯医者がイヤだ。

「おいおい、いつまでドリルの音、
 あんなに キュルンキュルンゴルンゴルン……盛大なん?
 もう2020年も終わるんやで?」

って、思ってます。

「あの拷問感……何とかならんのか!」 と。

「わしゃ、そんなに怖い道具とか使わんでも、
 どんな秘密もペロリと漏らすタイプよ?」 と。

 


……でもね、
歯医者から出たときの青空は、最高ですわ。
たとえ雨が降っていても、
「雨もなんつうか、ほら、空気を柔らかくしてくれて、悪くないね」
ってね。ニヤニヤする。


解放感。


それは、歯医者で苦しんだ後の、
「約束されたご褒美」とも言える。

さて、
何が、言いたいか?


【幸せ感】の増やし方、です。

もっというと、
あえて「減速」のあとに「加速」すると、
幸せ感は確実に増える。
――この法則のことです。

そう……心理学でも、
ぼくらの幸福感の正体って「加速感」らしいんです。
(大事なこととして「加速そのもの」では、ありません)


それこそ、歯医者は「減速」ですね

がまん、忍耐、苦渋、恐怖、たまに怒り(笑)、
放置、睡魔、口開けさせられ過ぎ、
痛いときは言ってって言ったくせに実際言っても助けてくれないの?
背中の汗、たまにお尻の汗、いつ息していいかわからんのですけど、
院内のクラシックが逆に残酷さを際立たせる響き、
(ドリル音とのマリアージュ)
唾液をズイーッて吸い込むやつが下手な助手のときすごい痛い!

……などなど。

その「減速」のあとだから、
「加速」である青空が、より青い。
いつもより大きく「羽を伸ばせる」感じ。


だから、
歯医者さんでの体験はかなりイヤだけど、
「トータルでは、生活のバランスを上げてくれてる」
って、思ってます。

……もっと正確に言うと、
「そう思うことに成功している」かな(笑)


なんかね、
芸能人の麻薬のトラブルとか見てて、
つくづく感じるんです。


「あれは【加速病】だな」

って。


これ、意味……わかりますか?


ぼくらは幸福を「加速感」で感じる。

たとえば、
もともと30kmぐらいで走ってるなら、
高速道路での100kmは
「おおー速い速い!」って、気持ちいいよね。

でも、
「いつも100kmで走ってる人」が、
よりスピードを出すことで「加速感」を得ようとしたら、
120kmとか、
150kmを目指すことになるよね。

……そうです、
これは【スピード違反】なんです。
一般社会では許されない、速度。


その「スピード違反」がね、
麻薬になっちゃうことが、あるんだと思うんです。
人によっては酒だし、
人によってギャンブルだし、
女の人に溺れるタイプもいるよね。


つまり、
「加速」だけに頼ると、
「スピード感」の中毒化と麻痺が起こって、
どんどんエスカレートする。

「まだ充分じゃない、刺激が足りない、満たされない」
つってね。

それこそ、
30kmの人が加速して80kmにしたら、
かなり速く感じますよね。
でも、
100kmの人が150kmにしても、
そこまで気持ちよい加速感をえられないはずなんです。
……同じ50kmの変化なのにね。

快楽って、どんどんマヒしていく。
インパクトや新鮮みを失っていくからね。


たとえば、
芸能界とか音楽業界で、
華やかな成功を手にしたとする。
キャーキャー騒がれて、
まぶしいほどのスポットライトを浴びた。

……でも、もっと上に行きたい。
もっと承認されたい。
もっと強い刺激が欲しい。

それなのに、
今の業界での「これ以上」を望むのは難しい。
不景気、
テレビの衰退やCDが売れない状況、
人口の減少、
自分の限界、
年齢的な衰え……。

これではむしろ、
勝手にじわじわ「減速」していってしまう恐怖。
目減りする(ように感じる)幸せ感。

じゃあ、
この上で「加速感」をえるためには、
何か大きな「ジャンプ」がないといけない……

そんなとき、
手に入らない「これ以上」の替わりに、
麻薬とかに手を出しちゃうんじゃないか。


「もっと」に心が侵されるんだね……


「加速」という【興奮系】だけで幸福を求めると、
マヒと飛躍のくり返しで、身を滅ぼす。
これはきっと、
交感神経的、ドーパミン的なスタイルの限界なんです。


それでは、いかんよね。
本人も身を持ち崩すけれど、
何より、まわりにまで、迷惑をまき散らかすから。


じゃあ、どうしたらいいか?


「減速」なんです。

100kmのスピードに飽きてしまったら、
サービスエリアに入ればいい。
途中で降りてもいい。
家に一回、帰ってもいい。

で、軽くフランクフルトでも食べて、
(フランクフルト部分には、深い意味なしw)
山とかお花とかを見ながら、
ブラブラ散歩する。

そしたら、いったん、
時速3kmぐらいになるよね。

その「ゆったりの世界」に一度、落ち着いたら、
あとはもう、しめたもんです。
時速8kmぐらいの自転車でも「スイスイ進んで気持ちいい」し、
一般道を車で走る30kmでも「車ってやっぱり便利だなぁ」って思う。
それは、さっきの興奮系・ドーパミン系とは逆で、
落ち着いたセロトニン系の幸福感です。

バランスの問題はあるけれど、
ぼくは興奮(加速):鎮静(減速)は、3:7ぐらいでいいと思ってるんです。

このバランスは、
仕事やキャリアも、同じ。

「スピードを落としたりしてたら、置いてかれるんだ」
って言う人もいそうだけど、
それはもう、身の程を超えてるんじゃないかなぁ。
(つまり、時間の問題で息切れして、どっちみち、落ちる)

「減速」も「加速」もある程度できるスタイルで
働いていないと、楽しくないし、続かない。
何より「幸せを感じるヒマ」がないよね。


……あれ?
今、かなりいいこと言ったんじゃない?(笑)


「幸せを感じるヒマ」

なるほど……
たしかになぁ。


加速ばかりするから、限界が来る。
減速をまじえていけば、ずっと長く楽しめる。

車にだって、アクセルとブレーキがあるわけで……
もっと複雑でもっと良くできてる人体で、
それを有効に使わない手は、ないよね。


というわけで、
魔法の質問で、まとめましょうか。



最近……


「加速」し過ぎてない?


くだらないことで、ちゃんと笑えてる?


フランクフルト、たまに食べてる?


あなたに合う「減速」の方法って、何だろう?


たまには、何かで「加速」もしてる?



ぼくは年末に向けて「加速」し過ぎたので、
年末年始は、グッダグダに過ごそうと思います(笑)
おせち料理なんて、そのためだもんね。


ではでは、くれぐれも、お大事に。
ひと昔前に流行った「スローライフ」って、
今こそ必要なキーワードだよね。