楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

『スモール・シフト理論』~「じっくり改善」したら、長く続く ~

『スモール・シフト理論』~「じっくり改善」したら、長く続く ~


●テスト前日に覚えたことは、3日で忘れる。
●いきなり売れた人は、消えるのも早い。
●宝くじで急に得たお金は、すぐ無くなる。
……どれも「たしかに」と思うはず。

じゃあ、健康については?
―― 本当はもちろん、同じなんです。

骨をボキボキしたって、すぐ戻る。
「一発で治したい」なんて幻想は、毒に近い。

でもね、
これを裏返せば、希望が見えてきます。
 

 

「じっくり改善」したら、その効果は長く続く。
これも真実なんです。

●時間をかけて覚えたことは、ずっと覚えてる
●たしかな下積みを経て売れた人は、長く売れる
●時間をかけて蓄えてきたお金は、簡単には無くならない

……でしょう?


さて、どうして、
こんなに大きな違いが生まれるのか?

心理学でも説明はつきます。
でもぼくが面白いと思うのは
「ホメオスタシスのせい」という考え方です。

ホメオスタシス。

和訳すると「恒常性」(こうじょうせい)です。
つまり「体の状態を一定に保とうとする働き」が、
ぼくらの体に備わっている。

だから「急な変化」って、
すごく簡単にいうと「生理的にムリ!」なんです。
これ……わかりやすいね(笑)

つまり、
「一気に変えよう」とするのって、
自分の脳とか体に「ケンカ売ってる」ようなもの。
そりゃあ、勝ち目はそうとう薄いよね。


じゃあ、どうしたらいいのか?


「じわじわ・こそこそ変える」ということ。
【寝た子を起こさないぐらいの速度】で変わればいい。

これを
『スモール・シフト理論』と呼びましょう。

大きく急に「移動」しちゃダメ。
小さくゆっくり「移行」していくのがいい。
その「小さな移行」が、スモール・シフトです。


この理論の魅力は、応用しやすいことです。


●1.健康面

健康でいうなら、
「少しずつの改善のほうが本物」ってこと。
この事実にはむしろ、安心する人が多いはず。

健康法を新しく試すにしても、1~2回で評価しない。
少なくとも2週間~3週間はみていく。

そして「ゆっくり起きる変化」のほうを大事にする。
そのほうが価値が大きいんだから、
焦る必要は完全になくなります。

その長期視点が、余裕とリラックス、
深い呼吸を生むんです。
それだけでもう「治りやすさ」が手に入ってる。


●2.仕事や生活(習慣)面

「小さい変化からしか始めない」
これが最も分かりやすいコツです。

たとえば、仕事の効率のためにも
早起きを習慣化したいとしましょう。

今は毎朝7時ぐらいに起きていたものを、
2時間はやめて5時にしたい、と。

そんなときに、
いきなり目覚まし時計を「5時」にする
……のが、アカンよ! って話ね(笑)

もし一気にやってしまうと、
かなり眠いし辛いしリズムは崩れるしで
「なんか体調まで崩れてきたしきついから、やっぱりやめよう」
ってなってしまう。
よほど強い理由がないと、続きません。
続かないだけでなく、ストレスが大きいことがいけない。

使える目安は【2割】です。
2割ずつの変化を5回かけて、10割にする。

つまり、7時→5時ということは、
最終的には2時間早くしたいわけですよね。
2時間=120分。
この2割は……24分ですね。

だから最初は、7時起きから24分早めて、
「6時36分」に目覚ましを早めます。
それだったら、そんなに負担なく、できるはず。
少なくとも、急に5時起きにするより、よほどマシです。

それに慣れたら、2ステップ目。
また24分早めます。
「6時12分」ですね。
これも「6時36分」に慣れてきている体でなら、
変化が大きすぎないので、継続しやすい。

そして3ステップ、4ステップと「刻んだ」挙げ句、
最終的に5ステップかけて「5時」まで
早めていくんです。

こうすれば、
ぼくらが戦っても勝てない「ホメオスタシス」さんは、
大人しいままです。反抗してぼくらのジャマをすることがない。
むしろ「慣れたことは守ろう」としてくれるから、
少しずつ慣れさせた習慣の維持に関しては、
強力な味方になります。

「もう5時起きじゃないと、違和感があるんだよね」
というふうに。


仕事でも生活でも、
大きな改善や変革はすべて「習慣化」とセットです。

だから、応用できる言い方にすると……

「行動目標を5ステップに分割して、2割ずつ移行していく」
というスモール・シフト方式。

そういうイメージを持っておけば、
うまく行くことが明らかに増えるはずです。

だって、
切り立った壁を登るのは難しいけど、
それが5分割されて階段になってたら、遥かに簡単だもんね。



さて、さらに
「人生面」「人間関係面」「ダイエット面」
「漬けもの面」「手作りラーメン面」と
話を展開させていくつもりでしたが……

やめましょう(笑)

大事なことは、同じです。


結果を急がない。
変革を急がない。
2割ずつ変えたらいい。


そう思ってみたら、だいぶん気楽でしょう?

始めやすいし、続けやすいはず。
そしたら、リバウンドも少ないしね。

言い方を急に変えてみると、
「昨日までの自分にやさしくすると、
 未来の自分が素直になる」んです。

(ほんとうに急だけどね(笑)
 今のその「え……?」という感じが、
 ホメオスタシス!)


これまで、続かなかった習慣。
これから、必ず身につけたい習慣。
改善していきたい体質。


特に大切なものについて、
これをヒントにもう一度、見直してみてね。

スモール・シフトにしてみよう。

達成確率が、まったく違ったものに
なるはずだからね。


ではでは、くれぐれも、お大事に。
「ウサギとカメ」の「カメ」になる具体策……でした。