楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「喜びの感度」を上げよう


「幸福度の高い人は、小さな喜びをちゃんと味わう」

……という心理傾向が、
ソウル大学の研究で判明したそうです。

しかもこれね、
〝実験のやり方〟が面白かったんです。
それも含めて、紹介しますね。

 


オリンピックの表彰形式に、
金メダル、銀メダル、銅メダルって、あるでしょう?
つまり、1位、2位、3位ですよね。

あれに関して、
160人の被験者さんたちを集めて……

「金メダル1つ分の価値って、
 銀メダルとか銅メダルで換算すると、何枚分だと思う?」

って、聞いたんです。

正解なんてないわけだから、
それぞれの個人の価値観が出てくる質問ですね。


そしたら、

●幸福感の高いグループでは、
 金メダル1個分に値する銀メダルは、2.58個。
 銅メダルだったら5.75個と答えた。

いっぽうで、

・幸福感の低いグループでは、
 金メダル1個分に値する銀メダルは、4.85個。
 銅メダルだったら11.16個と答えた。


ということは、
幸福感が低いと、
おなじ「金メダル1個分の喜び」を得るために、
なんと2倍ほどの量の「別の喜び」が必要になる。

ちょっとしたことを喜べない……
つまり「喜びの感度が低い」。


……これ、大変だよね?


ちなみにこの研究ではさらに、
「もしかしたらこれは韓国人特有の価値観かも知れない」
という疑問への検証も行いました。
同じ質問をアメリカ人にも聞いてみたんです。

結果、それでもやはり、
幸福度の高いグループとそうでないグループとでは、
1.5倍ほどの差がありました。

(韓国のほうがアメリカよりNo.1思考が強いってのも、
 ちょっと面白いよね……)


ぼくはこの結果をみて「怖いな」と思いました。

だってこのままだったら、
幸福度が高い人はますます幸福に、
幸福度が低い人はますます不幸になりやすい、
ってことですよね。


ただね、
希望も同時に、あるんです。

▼「小さな喜びをちゃんと味わうように」したら、
▼「喜びの感度」が上がって、
▼「より幸福度があがっていく」はず。

そういう風にも、取れると思うんです。


現代は情報が多すぎる……なんてことは、
もう散々言われてきましたよね。

でもぼくが特に感じるのは、
「エンタメが多様化・進化しすぎてる」
ってことなんです。

それが良い面も、もちろんある。
でも、リスクにもなってる。


なぜか。

「面白くないもの」が、すぐ捨てられる。
「地味だけど本当は面白いもの」が、
霞んでしまう(多くの場合、捨てられる)。


そして、
「派手でわかりやすく面白いもの」ばかりに
氣がひかれ、興奮させられるうちに、
喜びの感度がにぶっていってしまう。


……ってことになるよね?


だってほら、
アサガオの花の淡いブルーって、きれいでしょう?
だしがきいた炊き込みご飯って、美味しいでしょう?


そういう良さを失っていくのは、とても嫌。


だったら、どうしたらいいか。


少しでいいから
「新しい面白いもの探し」よりも
「知っているものの新しい面白さ探し」を
大事にしたらいい。

日常のなかの気持ちよさ確認を、積極的にしたらいい。

目を閉じたり、
耳をすませたり、
その様な感じで体をすませたり、
ため息をはいてみたり、してもいい。
言葉に出してみてもいい。

たとえば……

背のびをぐーーっとやって、
「はぁ……」って音に出して脱力して、
あえて気持ち良さをしっかり味わう。

水を飲んだら、それがノドを通ってお腹の近くまで
体の内側を潤していく、涼しさを運んでいくのを
たしかめる。

ストレッチや体操をするなかで、
力が入っていく感じも、
じんわり力が抜けていく感じも、できるだけ意識してみる。
その刺激(波紋)がどれぐらいの範囲まで届くかも、
観察してみる。


そう、
キーワードでいうなら……

味わう。
噛みしめる。
思いを馳せる。


そんなふうに、
外側ではなく「内側」への注目度を、
意識して上げてみる。



それが、「喜びの感度」を自分で高める方法です。

それが少しずつでもできれば、
どんなすごいテクノロジーよりも確実に、
ぼくらの幸福度を上げてくる。

……そういう実験だったんじゃないかって、
今回の結果をみて、思いましたとさ。


ではでは、くれぐれもお大事に。
たぶんだけど「感じ忘れてる気持ち良さ」が、
ぼくらの生活にはたくさんあるよ。