初稿のチェック。
3冊目の本の原稿です。
「手塩にかける」どころか、
「手塩で埋める」勢いで育てた、娘みたいなもんです。
4周ぐらい、全体を書き直してきました。
そして、すご腕の編集者さんのチェックをへて、帰ってきた。
きびしい嫁入り修行を終えて、娘がいったん帰宅した感覚……なのかな。
スッキリ絞られて、グッとりりしくなっとる。
そうか、お前はそういう顔もできるのか。父さん、知らんかったぞ。
大事にしてもらったんだな。
そうか。
でももうすぐ、嫁に行くのか。
花嫁衣装、着るのか?
もはや気分は、南こうせつ。
ぼくができることは、もうそう多くはない。
順調にいけば、あと1ヶ月ぐらいで世に出てしまう。
でも、何事もツメが肝心。
ここでオヤジが引いてちゃいかんのでしょう。
思い入れで突っ走ってもいかんし、
熱い胸と、冷静な頭、ひとにぎりのキットカットで、
仕上げの段階です。
しかし、しみじみ思います。
書き直せば書き直しただけ、こんなによくなるのか。
目で読んでるだけで見つかるミス。
声に出して音読すると気づけること。
紙に印刷してペンを片手に読んでみて、はじめてわかること。
「あの人が読んだら」と本気で想像して読んで、見えてくること。
それぞれ、驚くほど違うんだと、知りました。
何度も書き直したくさせてくれた編集者さん、有り難いです。
彼女自身はすごいやさしいんですけどね。
本当に「おゲ○さん」が出そうなほど緊張した初対面から、
ぼく史上、もっともMっ気を発揮したこの一年ぐらい。
面白くてしかたがなかった。なんの魔法なんでしょう。
おっさんになってからでも、ガムシャラに本気になれるもの。
大事にしたいと思います。
もうすぐ、手離れか……
嬉しいとさみしいが同じぐらいのレベルだなぁ。
こっからが、次の本番なんですけどね。
ぼくの場合はどう思い入れたって本でしかないですけど、
リアル娘を嫁に出すお父さんなんて、
正気でいられるのかしら?(笑)
なんちゅーか、酒が増えるなぁ。