楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

「前園のばあちゃん」のお守り ~最後の自分を支える「切り札」とは?~

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前園真聖、知ってますか?

元日本代表サッカー選手、
今はほぼ「コメディアン」(笑)として、
「ワイドナ・ショー」などのバラエティ番組で
活躍しています。
(バーテンダーの格好の、ミニブタ飼ってるおじさんね)

そんな彼ですが、
彼のサッカー選手としての
全盛期は、本当にすごかったんです。

 


「誰にも止められないんじゃないか」
というぐらいキレ味の鋭いドリブルを持ち、

暑苦しいロン毛を風になびかせつつも
あまりの実力と獣のような目力でなんとか
カッコ良くまとまっており、

「いじめ、カッコ悪い」
とボソリとつぶやくだけのCMで
全国民をキュンキュンさせてた……

まぶしいほどの活躍ぶりでした。


……しかし、
そんな彼にも、苦難の時期があったのです。

それは、彼がまだ19才、
プロ入りしてすぐのことです。

どうしても監督の目指すサッカーのスタイルになじめず、
才能のかたまりだったはずの男が、
試合で使ってさえもらえない日々を送ります。

1年間、まったく活躍出来ない無念を噛みしめたあと、
突破口を探してもがく彼は、
サッカーの強国アルゼンチンへの留学を決意します。
(異常天才マラドーナやメッシを生んだ国ですね)

彼は、小学校のころから、
マラドーナに憧れていました。
のちに「前園真聖といえばドリブル」と言われるほどになる
わけですが、そのドリブルはもともと、
マラドーナの姿をなんどもビデオで見て、
くり返しくり返し真似したものが原型になっているんです。


憧れの地。
まったく新しい挑戦。
自分の可能性を問い直す戦い。

しかし希望を胸に飛び込んだアレルゼンチンで、
彼は、さらに大きな挫折を味わいます。


サッカーのレベルが違う。

パワーやスピードだけじゃない。
多少は自信があったテクニックでさえ、
自分よりすごい若者がゴロゴロいる。

勝てない、勝てない、また勝てない……
孤独、孤独、孤独……

もともと失いかけていた自信が、トドメをさされる。
「たしかな何か」を手にするつもりで日本を出てきたけれど、
失うもののほうがずっと多いような、絶望感。

正直なところ、
何度も本気で「もう日本に帰りたい」という気持ちがよぎる。
プライドの高いナマイキ盛りの男が、
すっかり心を折られかけていたのです。


それでも彼は、帰らなかった。

意思の力を何とかキープして、
アルゼンチンに踏み留まったんです。

そんな絶望的かつ味方もいないような異国で、
いったい何が、彼を支えたのか?


ばあちゃんの「お守り」でした。


日本を出るまえ、
鹿児島にいるばあちゃんが、
彼にひとつのお守りをくれたんです。

別に、彼は信心深いわけではありません。

ただ、ばあちゃんは、
そんな孫のことも、わかっている。

「外国で、どうしても辛くなったら、
 そのお守りを開けなさい。
 ただし、本当に辛くなったときだけよ」

そんなふうに、お守りを渡してくれた。


……嬉しかった。

国内でさえ活躍できていないことを、
家族は皆知っている。
反対されることも多かった、海外への挑戦。

そんな中ばあちゃんは、
できうる限りの後押しをしてくれた。

――きっとこのお守りの中には、
本当に困ったときに日本に帰れる飛行機代かなんかが
入っているんだろう。

有り難く受け取って、でも、だからこそ、
断固たる覚悟で、俺はアルゼンチンで戦うんだ!


彼はそう、決意していました。


だから、帰らない。
自分が通用しないからといって、逃げ帰ることはしなかった。
辛いときには、ばあちゃんのお守りを握りしめたそうです。

信じて待ってくれる人がいる、という心強さ。
本当にどうしようもなくなるまで戦っても、
骨は拾ってもらえる。
最悪、ちゃんと日本には帰ることができる。
その安心感。

「もう少しだけ、頑張ってみよう」

彼がアルゼンチンで戦い続けることができたのは、
ばあちゃんのおかげだったんです。


その後、前園選手は、
このアルゼンチン留学を終えて、
大きく飛躍していくことになります。

オリンピック代表、
日本代表と活躍の場は広がっていきますが、
何より有名なのは……

世界一常連のサッカー大国ブラジルに日本が勝利した、
「マイアミの奇跡」でしょう。
この勝利の立役者が、ほかでもない、前園真聖でした。


そんなスターが生まれた重要な「岐路」は
あのアルゼンチン留学でした。
そして、そのアルゼンチン留学で彼を挫折から救ったのは、
ばあちゃんの「お守り」だったんです。

帰国後に彼は、

「俺、間違ってたよ。
 キツかったけど、おかげで完全に考え方が変わったね」

と、語ってたそうです。
(多分ですが、それほどロン毛を揺らさずに)



……はい。

ここまででも充分、
いい話なんですけどね。


実はこのお話には「後日譚」があります。


アルゼンチンで充実した時間を過ごしたあと、
前園選手はふと、思ったそうです。
「お守りを開けてみよう」と。

土壇場にいた自分を支えてくれた、お守り。
しっかりと役割をまっとうしてくれたし、
ばあちゃんにもお礼を伝えたい。
そのためにも、中身を確かめよう。

たぶん飛行機代だろうから、
10万円ぐらい入っとるんだろうけど、
ばあちゃんにムリさせたかな……

激闘の日々の余韻を味わいながら、
お守りをあけてみる。

すると、中から出て来たのは、
なんと……


「1,000円札、いちまい」


だったそうです。


たったの、千円。

飛行機なんて乗れないどころか、
一泊の宿泊費としても心細い額です。


それでも、彼は、
そのお守りに支えられたのです。


「ばあちゃん、
 いざとなったら開けろって、
 いつの時代の物価だよ……(笑)」

我らがゾノ(前園の愛称)は、
そう苦笑しながら、
この心温まる昔話を締めくくっていました。



うん、素晴らしい。

このお話は、前園真聖の自伝、
その名も「ドリブル」という本に
書かれていたエピソードです。


ぼくがこれを読んだのは、1996年。
中学生のころです。


何が素晴らしいって、
●お守りにこめられた、ばあちゃんの応援の念も
●それに全力で応えようとしたゾノの意思も
●その正体が「千円」だったことも
すべてが、すばらしい。


金額は、問題じゃなかったんです。

別に100円でも50円でも、良かったはず。
(外からの手ざわりでコインだとバレたらアウトだけど(笑))


ゾノは、信じたんです。ばあちゃんを。
だから、帰らずに戦った。
そしてばあちゃんは、信じたんです。ゾノを。
だから、帰らずに戦うだろうとわかっていた。

本の締めくくりでゾノは、
ばあちゃんが物価を勘違いしたふうなことを
書いていましたが、
1996年に健在だったばあちゃんが、
そこまで物価オンチだとは、ちょっと思えません。

ぼくはね、想像したんです。


もしかしたらゾノは、本当に挫折して、
もっと早い段階でお守りを開けちゃっていたかも知れない。
「もうダメだ!」と思ってね。

そのときにもし中身が10万円で、
本当に飛行機に乗ることができたなら、
ゾノが日本に逃げ帰ることを「可能に」してしまう。
それが本当に孫のためか、というと、
怪しいところです。

でも、そこで中身が千円だったら……?

ガッカリしたり混乱はするかも知れない。
でもおそらく「自力で何とかするしかない」と
もう一度だけ、あの孫は発奮するでしょう。
退路を断たれたゾノに、
「ラストチャンス」がまた生まれることだって、
あるでしょう。

そんなことまで、
ばあちゃんは考えていたんじゃないかってね、
ぼくは思ったんです。

もちろん、本当の意図は、わかりません。
でも、人生を左右するようなタイミングで、
孫にこんな素敵な応援ができるなんて、
なんて素敵なばあちゃんなんでしょう……



「お守り」というのは【切り札】です。


お守りそのものの効用や威力も
もちろん大事です。

でもそれ以上に「違いを生む」のは、
お守り自体が「ある」ということ。そして、
そのお守りや背後にいる存在を信じられるかどうか、
ということなんです。

それがゾノには「あった」んですね。


ぼく自身も、
「いざとなっても、アレがあるから何とかなるかも」
と思えるものを、常に持っておきたいと思っています。

それが「いざなるまでずっと」
日常の戦いを支えてくれるから。

だから、
「いざとなっても、楽ゆるがあるから何とかなるかも」
と思ってもらえるように、
文章を書いたり、本を出したり、
動画をとったり、ラボをつくったり……してきました。

そして、
ぼく自身にとっての最強の切り札の1つが
「レイキ」(氣功)なので、
最近、オンライン講座でもお伝えするようになりました。

ブレスレットとかハーバリウムとかアロマとかも、
実は同じ種類のもので「誰でも使えるレイキ・グッズ」です。

もちろん不思議だし好みが分かれるしマニアックなのは、
重々わかっています。
「怪しいです」とか「残念です」とか、
エネルギー系を毛嫌いする人には言われたりしますけど(涙)、
それでも……です。
それでも、
これが強い「切り札」になる人が、必ずいると思ってます。

不思議なんですけどね、
「切り札」ってその性格上、
「ちょっと普通じゃないもの」のほうが、向いてたりするからね。


さて、
あなたには、切り札、ありますか?


もちろん、
「お気に入りの健康動画」でもいいんです。
「むっちゃくちゃ癒されるカワウソ動画」でもいい。
誰かからもらった大事な「お守り代わりの物」でもいい。


体や心を復活させられそうなお守りを、
1つでも2つでもいいから、
集めていけたらいいね。

そして我らがゾノが、
「いつも顔がマジすぎて面白いおじさん」として、
今後もバラエティで活躍していけますように。


ではでは、今日もお大事に!
こうやって振り返ってはじめて理解したんですけど、
ぼくは昔から前園が好きだったんだなぁ。
(今はロン毛でもなくなったし)