楽ゆる式◎セルフケア整体

心と体が楽になるコツ。辛い症状・病気を自分で治したい人へのヒント。 ----- by 楽ゆる整体&スクール代表 永井峻

2度の脱毛体験が教えてくれた、生き方のコツ

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「ほんと、そのまんま寝てられるぐらい、
   痛くないですから!」
         (天使の皮を被った小悪魔)
         

 



脱毛、したことありますか?
ぼくは2回、あります。

ヒゲがね、ジャマなんです。
毎朝剃るんですけど、ふと、
「この手間は一生なのか?」と思うんですわな。

夕方に少し青く伸びてくるのもイヤで、
一度、「もういっそ伸ばしたれ」と思ったこともありました。

そしたら、
今の綾野剛ぐらいの長さになった頃……

「先生はヒゲが似合いません(キッパリ)」
「うーん、ないほうがいい」
「どうしたんですか、何か悩んでるんですか?」

って、最後にはマジな心配をされたりしまして(笑)

「この道はどうもあかんらしい……」
と悟ったわけです。

……

ええ、そんなわけで、
「脱毛しかねえ」と。

で、2か所行ってみたんですけど、
まぁこれが、全然違ったんです。
説明の仕方が。


1か所目は、
「いかに痛くなくないか」を強調してくる。
「ずっと寝てる人もいるぐらい」とか言う。
20分ぐらいかな、たっぷりの説明で。
写真付きの資料で、体験者の笑顔の写真とか、
寝ながら受けてる写真とか、ふんだんに出してくる感じで。

そんなの、ねえ、油断するじゃないですか?

でも、いざ寝台に寝ると、
ジェルみたいなやつをビタビタに塗った挙げ句、
念入りに冷やしてくるわけですよ、あいつら……

「え? 全然痛くないはずなのに、おかしいな」ってね。
そしたら、ぼくの違和感を察したのか、お姉さん、
「痛み止めってわけじゃなくて、肌荒れを防ぐためのものなんですよ」
と、ニッコリ。

あ、なるほどね、って安心するじゃないですか。

でも次の瞬間に、彼女の目が座るんですよ。
黒目が真っ黒になる感じでね。こうカッ!とね。
そっからはもう超高速の世界。
見慣れないマシーンをサッと構えて、
ちょっと驚くようなスピードでぼくの
鼻の下までササッと持ってきて……

ビガッ!!!

です。

「んぁ痛ぁっ!!」

つってね。

あの動き、元フェンシングの選手なのかな?

恥ずかしい話なんですけど、体がビクビクッて痙攣しました。
担当(下手人)のお姉さんのほうが驚くほどの。
お姉さんもぼくの0.2秒後ぐらいに、すごいビクッとしてた。
二人とも、4~5cmは浮いてたんじゃないかな。

……いやね、さすがに言い訳したいんですけど、
いいですか?(笑)

1) 散々痛くないことを力説する
2) ひんやりジェルの目的さえ隠蔽する
3) フェンシング金メダル級のスピードで生まれて始めて見る
   マシーンを急に顔面にあてがってくる(目は座ってる)
4) メラミ(炎の呪文)の音とイオラ(爆発の呪文)の光とともに
   輪ゴムをバチンと弾くような痛みが何カ所か同時に
   急に襲ってくる

って、ちょっと怖くないですか???

もちろんぼく、元々臆病なんですけど、
1→3の流れが、ちょっと悪質でしょう?

ほとんど「よくフリが効いてる」レベルなんですよ。
信頼させてから裏切る、的な(笑)
「押さないよ押さないよ、まさか押さないよ」って言ってから、
「ズドン!」と押す的なね。

急でビックリするから余計痛いんです。
あの目とスピードはなんなんでしょう……

「事前に怖がらせちゃいけない」
  ↓
「怖がるヒマさえないほうがいい」
  ↓
「ふいうちでやってしまえ!(つい目が座る)」

みたいな論法なのかな?


……よけい怖いわっ!


ほいで、
その「裏切られた感」と「獣のような目」が怖くなり、
痛みもけっこう質がイヤな感じだったから、
通わなかったんです。
体験だけにして。

体験つっても、もう、恐怖体験ですけどね、ただの。


で、あとで仲のいい友達(女性)に聞いたら、
「美は痛みとの戦いだよ」
ってだけ言われまして。

「はぁ、それは失礼しました。私の覚悟が浅かったんですね」
つって、反省しまして。

「脱毛って痛いもんなんだ」と思ってました。



でも先日、2か所目行ったんです。

なぜって、
「画期的に痛くない新技術ができましたよ!」
ってニュースがあったからです。

どうやら、
「今までは毛根まで焼いてたから痛かったですねん」
「でもこれからは、毛のもとの細胞だけ小さく焼くだけやけん、
 痛みもほとんどありまへん」
というロジック。

なんか納得感、あるじゃないですか?


ただ、
ウキウキ気分でそのクリニックを尋ねたら……

「いや、うちは医療用レーザーなので、
 深く効く分、痛いです」

って、始まったんです。

「正直、男性の鼻の下のヒゲ部分は量も多いので、
 痛みで泣く方もいらっしゃいます」

「いくら痛くないって言っても、
 熱で焼くわけですから、そこはもう覚悟して頂かないと」

つってね。

メイクもバシッと麗しく、
長いまつげがクルンとまぶたに刺さりそうなね、
「柔道歴22年の菜々緒」みたいな顔のお姉さんが
言うわけですよ。
 
ぼく、もう元々恐怖でいっぱいだったし、
「今回は画期的に痛くない!」ってフレコミに惹かれて
来てるから、腰、めちゃくちゃ引けてました。

※ちなみにそのフレコミは、そのクリニックじゃなくて、
 別のサイトの説明でした(同じ技術についての)。

しかも、

「以前、永井さんが痛かったとおっしゃるお店より、
 医療用なので、痛いと思います。はっきり言って。
 覚悟して頂いたほうがいいと思います(2度目)」

とおっしゃる。


重ね重ね、情けないですけど、

「携帯に電話があったふりして外に出て、
   そのまま逃げたろうか……」

と、腰というかもう腎臓が引けてる私。


だってね、
そもそも「痛くて通うのイヤでやめた前回」よりも
「痛いですから覚悟してください」って、
未来が見えないよね、涙で。

それじゃあ来た意味がない、ということを
冷静ジェントルな感じで伝えたら、
「それでは、先生を呼んで来ます」
といって、先生と二人がかりで説得される始末。

しかも説得の仕方が、

「永井さん、先ほどスタッフからご説明があった通り、
 痛いです。でも、効果を求めれば、痛みは当然なんです。
 でも痛みはやがて慣れます。
 未来のために、まずは試して下さい」

という方向性。

それ、
「痛いのがイヤ」で腎臓がひけてる人に言うこと?(涙)
今ぼく、未来の美より目先の痛みのほうが
2億倍氣になるんですけど……

ただ、そこできっぱり「NO」を言えるほど、
ぼくの留学経験は長くありません(8ヶ月)。

で、複数人で背中を押されるように
案内(拉致)された「施術室」は、白ーい部屋に、
白ーいベッドが、ポツン。
 
で、施術担当のまた別のお姉さんは、
ショッパナから、

「今回はヒゲの脱毛体験ですね。
 体の部位でも一番痛いところなので、痛いですけど、
 耐えてみて下さいねー」からのスタート。


なんかもう怖すぎて、面白くなってきた(笑)


抵抗しても無駄で、
ぼくを囲む説得勢力が3人に増えるだけなので、
ぼくはスゴスゴと、まな板の上に寝ました。
もう好きにしてくれ、と。

敵方は「まず試してくれ」の一点張りなのだから、
一発目を喰らった時点で、
「マジ痛いっす、予定と違い過ぎるんで、マジ無理っす」
って15回繰り返して帰ろうと思ってました。
今日は高くても超おいしいランチを食べよう、と。

で、やっぱりジェル、塗るんですよね。
冷たいやつ。

ただ今回は、殺人マシーンを持ってくる手が、
ひどくゆっくりなんですよ。
(たぶん、こっちの人は、フェンシングやってなかったんだね)

「こういう機械でやりますからねー」

たぶん、安心させるために見せてくれてるんです。
でももう、こちとら、切腹前の心境ですから。

あれに感じるです、対決前のサムライ。
「お主の命は、この名刀、備前長船で頂戴しよう」的な。
観念せえ、キラリン、と。


とにかく残酷なほど丁寧で、

「今からジェル塗りますねー」
『……』

「機械を近づけていきますねー」
『……』

「鼻の下に当てますよおー」
『……!』

「じゃ、ちょっと今から、ピリッとしますよ」
『……!!』

「といっても、同じ場所、何回かやりますねー」
『…………!!』

「……あ、
 でも痛すぎたら手を上げて下さいね!」


……って、はよ、やらんかい!!
人思いにザックリやってくれ(涙)

銃口がこっち向いとるんじゃ!
ず~~っと、さっきから小一時間(感覚的に)、
こっち向いとる。
楽しくもないもん、焦らさんでくれ!



で、ついに、
「はい、ピリッといきますよー」


……


ぼくは「前回より痛い」という情報で、
「ビガ!!」よりひどいんだから、
「ズゴン!!!」ぐらいかな、と。
今回はイオナズン(爆発系の最大呪文)ぐらいかな、と覚悟して、
目をつむりました。



……

……

……

ペショ。

……

……

……

「あ、もう一回だけ行きますねー」

……

……

……

ソフェん。

……

……

……

「はい、一か所目、終わりですよー」

……

……

……

……は?


「痛み、どうでしたかー?」

……

……

いえ、(小鼻ぐらいは吹っ飛ぶと思ってたので)、
思ったより全然でした。

「あー、そうですか、それはよかったですねー」

……

……

……

なんじゃそら。



と、いうわけで、
氣が付いたらガッチガチに固まっていた体をゆるめ、
15分ぐらい(たぶん)止めていた息を吐き、
変な汗で湿っていた背中を感じつつ、
残りの2分ぐらいの「ペショ」と「ソフェん」を
しずかにやり過ごしたのでした。

……

……

……


えーっと……

要するに、
「拙者、本当に情けない男でござる」
という話なんですけどね。

どっちがマシだったかって、
もうね、どっちもやめて欲しいんですよ(笑)

期待させ過ぎもやめてほしいし、
覚悟させ過ぎもやめてほしい。

どうしてもうちょっと、普通にできないの?
って思うわけです。


2つのお店、どっちにしても、
「操作主義」なんです。

「ハードル上げないで」なんて表現が流通しましたけど、
「期待を上げておく」のも、
「期待を下げておく」のも、どっちも、
操作主義には変わりがない。

演出としてはOKな、喜ばれる場面もあるんでしょう。
商売上、必要とも考えているんでしょう。

でも、ぼくは強く思いました。
「どっちも、誠実じゃないな」って。


1店舗目の、安心させといてからの驚きの痛みは、
あとがすごいストレスですし、
2店舗目の、散々脅しておいてからの蚊の泣くような
痛くなさも、施術までの時間がずっとストレスでした。

どっちにしても、
「下手にウソつかんでくれる?」と。

もちろん、
好みや主観の問題が大きいとは思います。

でも、やっぱり、
自然体から離れたものって、
健康や健全ではないな、と。

ポジティブ、ネガティブ、どちらも
タイプはありますが、
発信者はできるだけ「ニュートラル」でいるのが
最適なんじゃないか。

「予断を許さない状況」って表現がありますけど、
「あえてよく言っておく」も、
「あえて悪く言っておく」も、予断を生むんですよね。
判断を狂わせてしまう。


たぶんこれ、個人でも同じことで、
「自分をよく見せよう」と思っちゃうのも、
「自分を低めに見せておこう」と思っちゃうのも、
しょせん、予断なんです。

すごい人や、
ニュートラルな人(健康な人)には、
そういうウソって、すぐバレます。

「そんだけウソをつくってことは、
 何かあるんだろうな」
って、なっちゃう。


素で来いや、と。

素が晴れ晴れとしてるのが、
「素晴らしい」んやで、と。

相手(の印象)を操作しようなんていう心根は、
本当の魅力を曇らすぞ、と。

まぁ、そんな話は全部おいといても、
ぼく、動揺し過ぎなんですけどね(笑)


よく思うんですよ。
意図がどうあれ、ウソを混ぜれば混ぜるほど、
いい関係性って、できません。

「自分はウソついてる」って、
自分が知ってますからね。
その自分だけは、だませない。
そうなると、言葉や顔が少し変になります。
体温が通ってない言葉になる。

そんな状態で、誰かといい関係なんて作れませんよね。

ウソを0にするのは無理だとは思うんですけどね、
「できるだけ正直でいよう」って思ってる人は、
上手に飾っている人よりも、よほど付き合いやすいものです。
信用できるから。


素を大事にしましょう。
自分の素も。
他人の素も。

素の質こそが、素質ですからね。

素を出そうとするから、
素質って、見えてくるんだと思うんです。

そこからしか、
本当にいい芽は生えてきません。


……ええ、そんなわけで、
涙の脱毛体験だけに、
最後は生える話で、まとめてみました。


痛かったのは、心のほうだったんだなあ。


というわけで今回は、
「結局、最新の脱毛はだいぶん痛くないよ、実際(笑)」
というテーマでお送りしました。

ではでは、くれぐれも、お大事に!